六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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フェアリーテイル 9

テレビ局の廊下を歩きながらキョーコは腕時計で時間を確認する。
…だいぶ早いけど…このままドラマの収録をしているスタジオに行こう。
明日の学校の授業が気になるが、勉強は帰ってからした方が落ち着いて出来る。
撮り直しは蓮の言葉通り急ピッチで進められていて眼が回る忙しさだが、成績が落ちれば何を言われるか分かっているだけに、疲れたからと帰って直ぐ横になるわけにはいかない 。
きっと今だけだから…頑張れば直ぐ終わるから
腕時計から視線を移したバックには小さながま口に入れたコーンが入っている。そう、今頑張って撮り直しを早く終わらせる事が出来たら、悪い魔法使いを探す時間を作る事も、魔法を解く方法を考える余裕も出来る…
「おい」
聞き覚えの有りすぎる声に一瞬止まりそうになった足を"私じゃない"と否定して早めたキョーコの後ろを、その声は着いてくる。
「メシ食いに行くぞ」
「どーせヒマなんだろう」
「おい」
「無視すんな」
「先輩だぞ?礼儀ってモンを知らねぇのか」
「ああ、声も出せねぇ卵も産めそうにねぇニワトリはツラだけじゃなく中身もバカなのか」
「呆けたふりをしているだけです!それに男の子だから卵は産まないわよ!」
"もう一つ仕事"である着ぐるみをバカにされ思わず振り返ったキョーコに声の主…もう幼なじみとして過ごした時間さえ捨てたい元恋人の不破尚…松太郎がにやりと笑う。
別れた時も、こんな馬鹿にした笑いをしてた。
『お前みたいなガキ過ぎる女、恋人だと思えねーよ』
「へー、そうか。だから中身と一緒で色気も何もねぇのか」
『ちったぁ大人になったかと期待してたのにガッカリだ』
『見掛けだけじゃなく頭ん中までガキのまんまで色気も何もねぇのに恋人どころか女としても見れる訳ねぇだろ』
「あのキャラクターで色気を求める方が間違っているわよ!あんた、わざわざ嫌味言いに来たの!?」
「ちげーよ。たまたまヒマになった短い貴重な時間をオマエの為に使ってやろうと声掛けたんだぞ?感謝しろよ」
「充分!しっかり!たっぷり暇に見えるわよ!いい!?もう、あんたの暇潰しに付き合うような関係では無いし、嫌味を言われる筋合いも無いの!金・輪・際!声を掛けないで!」
「ウルセェよ!あーだこーだ言ってねぇで黙って着いて来い!」
「人の話を聞いてる!?」
掴まれそうになって大きく腕を身体ごと退けた途端、庇うように前に立った人影に眼を見張った。
「敦賀さん!」
「揉めてたみたいだけど…大丈夫?彼は最上さんの知り合い?」
声は穏やかだが、松太郎を見る蓮の視線は鋭い。
「全然全く何の関係ない人です!」
「…そう…?」
「邪魔すんな!お前は関係ねぇだろ!おいキョーコ、話はまだ終わってないぞ!こっち来い!」
「敦賀さん行きましょう!人の話を聞かないあいつに付き合ってたら切りが無いです!」
芸能界のトップを行く敦賀蓮が何故新人とさえ言えないキョーコと親しげなんだという疑問よりも、その仲間入りを果たした自分を蓮が知らない事に苛立って声を荒げた松太郎に、蓮が眉を潜める。
「…そうだね。行こうか」
「人の話聞かねーのはどっちだ!待てって言ってるだろーが!」
「悪いけど、俺達は今から仕事があるんだ」
「仕事?は、どうせこいつは名前もセリフもねーちょろっと出るだけ端役だろ?ニンキハイユウのツルガサンと違って急いで行く事ねーだろ」
「失礼ね!名前もセリフもちゃんとあります!出番だって今までよりずっと多いわよ!」
食事なんて松太郎のデビュー当時から付いている、美人でスタイルが良くて大人な自慢の女性マネージャーと行けばいいのに!
その人と何時も、何時も比較されてきた。今だってきっと暇潰しに比較して子どもだと笑いの種にしたかっただけに違いない…
「いけない!」
バチンと思い切り両頬を叩いて自分を叱咤する。
子どもの夢物語だと笑われて、馬鹿にされて、呆れられて一人きりになっても自分を信じようと決めたじゃない!
バチバチ叩き続ける手を横からそっと触れられて、はっとして顔を上げると蓮の心配そうな視線とぶつかる。
「頬が赤くなってるよ?」
やだ、私ったら!
「す、すみません!お礼も言わず…ありがとうございました !」
「困っている女の子を助けるのは男として当然だろう?仲間なら尚更、ね」
蓮の言葉に、目の前が明るくなったように感じた。
仲間
そう、今は、私一人じゃない
「私今怒りに囚われて…清らかな心でないと魔法は解けないのに…悪い魔法使いが仕掛けた罠に落ちるところでした」
「彼…コーンは助けられないけど、最上さんの助けにはなれそうだ」
蓮がずらした身体の直ぐ後ろにあるドアを開けて、感情に任せて歩き続けて出入口のドアが目前に迫っていた事にキョーコはやっと気付いた。
「何処かに激突するのを防ぐ程度には、ね…どうぞ?」
「先輩にドアを開けさせるなんて!私ったら何て畏れ多い事を…!」
「これも男として当然の事だよ」
「っ…男とか女の子とか、関係無いでしょう!?」
思わず頬を膨らませたキョーコに「ああ」と蓮が笑う。
「じゃあ先輩も後輩も関係無いよね」
「いえ、それは関係あるかと」
「先輩の言うことは聞くべきだよ?」
「関係あるじゃないですか!」
怒ったふりをして蓮の前を通り過ぎる時、蓮の忍び笑いが聞こえて、赤く染まったままの頬を再び膨らませた。








テーマ:二次創作小説 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2016/05/10(火) 20:26:57|
  2. フェアリーテイル
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五月中旬になって締まったら拍手お礼(泣)

毎度ご来訪頂き、ありがとうございます~。
お久しぶりです、すながれです。
新年度が始まって約一ヶ月、予想外にばたばたしておりました。
変化に弱いんで、生活リズムが変わると慣れるまでに時間がかかるんですよ…
一旦落ち着けると思っていたGWも、なんだかんだと予定が入りまくってたし。
おかしい。
ぐうたら妄想して過ごす筈だったのに。

コメントお返事↓相変わらず遅くてすみません(´;ω;`)
ちょびさん
花粉症の季節が終わって、ひゃっほい!と喜んでおりますよ!息するのが楽になった!花粉を気にしない生活って素晴らしい!話は気に入らない箇所を直しながら書いてたら収集つかなくなってきました(泣)創作の神様、降りてきて~!

ナーさん
ヤッチマイナーって(笑)その後シ〇ッカーのような返事を思い浮かべてしまいましたよ…年がバレる(笑)

拍手下さった皆々様、ありがとうございました!
これからもよろしくお付きあい下さいませ~(*´∀`)


テーマ:管理人日記 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2016/05/10(火) 20:23:54|
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Card of cups 16

キョーコの靴が無い閑散とした玄関で、蓮は気持ちを落ち着かせようと暫く目を閉じてから、ゆっくりと靴を脱ぐ。
…買い物へ行っているだけ、そう、出て行く時はちゃんと挨拶すると言っていた…
"何故夜遅くに"という疑問の答えは容易に想像がつく。
地下にあるスーパーの客はマンションの住人だけではない。自分の帰りは何時ももっと遅いからこの時間に買い物へ行っても夕食の準備は出来るからと、外から来る僅かな人の目を気にして敢えて客の少ない時間を選んでいるのだろう。
それでも不安になるのは、同時に気付いた"自分の知らない間に部屋を出て行く事も出来る"という、あの時早く帰らなければ知らなかった事実からか。
『みっともない』
キョーコの言葉を思いだし、確かにそうだと苦笑する。気が変わっていないかと服もまともに着ないまま慌てて出てきた姿だけではなく、 あの時だけでも、 今だけの話でもなく。
恋人のふりをしようと言った時も、恋人に別れを告げられた後、彼女にあの笑顔を求めた時も…キョーコに黙ってホテルをキャンセルした事も。何時かは必ずその時が来ると理解しながら、子どものような我が儘で理由も分からず引き留めて…
とりとめがない思考と未だ落ち着かない気持ちにコーヒーでも飲もうとキッチンへ入り、ふと違和感に襲われる。何時もと変わらないのに何かおかしいのだろうと思いながら食器棚に手を伸ばし…その正体に気が付いた。
何時もと、キョーコが来る"以前"と変わらない
キッチンは毎日使っているのかと疑いたく程綺麗で、棚には有るとばかり思っていたキョーコのと言えるカップが無い。よくよく思い返せばどの場所でもキョーコの私物を見た覚えが無い。唯一リビングにあったあの雑誌はいつの間にか消えている。一度入ったキョーコの部屋でさえ、直ぐ…今出ていったと言ってもおかしくない状態だった。
…引き留められるのが嫌で、挨拶を後にしたなら
ホテル?一時身を寄せていた友人の家?それとも…新しい部屋?
思わず飛び出そうとした玄関先で何も知らない事に気付き、呆然と立ち竦む。
携帯に連絡してもキョーコが出なければ探し出す事も手掛かりを掴む事も出来ない。
自分の知らない場所から先の、最上キョーコ。
真面目で頑張り屋な性格だけで繋がっている仕事上の、上辺だけの関係では決して見せないだろう、知る事が出来ない世界…
…だから会いたいと、声が聞きたいと思うのか
見つめるだけしかないドアが開き、入って来たキョーコが蓮の姿に一瞬驚いた後、笑顔になる。
「おかえりなさい敦賀さん。ごめんなさい、今すぐ夕飯の準備をしますから」
「…行こう」
「はい?」
「最上さんのカップを買いにいこう」
ぽかんとするキョーコから素早く持っていた荷物を取り玄関へ置くと、そのまま手を引き今入って来たばかりドアを出て、廊下の先にあるエレベーターに乗る。
「下のスーパー、食器も売ってるよね?」
「う、売っていますけど、いくら住人の口が固いからと言っても二人揃っては流石に」
「皆早く帰りたくて誰がいるかなんて気に止めないよ」
親指で繋いだ手の甲を撫でる。
ほんの僅かな時間、同じ場所に居て少し言葉を交わしただけの相手。
あの時の笑顔を見る事が出来たら、それでいいと思っていた。
…"愛している"という笑顔を自分にではなく、他の男に向けるのを見て、それでいいと言えるのか?
「…夜は部屋に居て、俺を待ってて。出来ないなら連絡して。俺の仕事なんて…タイミングなんて考え無くていいから、何時でも、直ぐ連絡して。取れなければ直ぐ折り返すから、携帯を離さないで」
側に居ないと不安になる。
そして側に居るだけでは物足りない。
気持ちを求めて時には我が儘で振り回してでも相手の世界に入り込んで、自分の存在を植え付け、身体だけでなく心も触れて、繋ぎ止める。
なんて身勝手な感情。
でももう否定できない。
そしてもう、笑って離すこともできない。





テーマ:二次創作小説 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2016/05/02(月) 10:55:07|
  2. Card of cups
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四月始めの拍手お礼。

お久しぶりです、すながれです。
花粉が舞い散る中、皆様如何お過ごしでしょうか。
ワタクシは何時も鼻に来る花粉症が喉に来て、痒みに身悶えております。
そんな中、気が付けば来訪者も拍手も一万超えしておりました。

ありがとうございます~!

この日の為に"ありがとうイラスト"を描いていたというのに…色塗りがまだだという相変わらずの駄目っぷり。
残念なワタクシのゆるだらサイトですが、これからもよろしくお付き合い下いませ~。

コメントお返事↓
ちなぞ様
やっぱり返事せずにはいられないワタクシです。
お気遣いありがとうございます~。お陰様で風邪の方は早く治す事が出来たんですが…花粉の時期は本当、頭は働かないわ体はだるいわで辛いですよね。ワタクシも万年その状態なんですが(笑)おまけに鼻から水分出ちゃうせいか肌がパサついて痒くなるし。ワタクシ達の美容と健康と創作活動の為に(笑)共に祈らせて頂きます~

ナーさん
何時もコメントありがとう!やっと保津さんから敦賀氏にさせる事が出来ました。 自分が納得するまで書こうと思っていた分長くなってしまいました(´・ω・`)
キョーコちゃんは最強です。そしてその強さは敦賀氏の為だけに使って欲しい。
そう思っているので、うちの敦賀氏は何時まで経ってもヘタ蓮です(笑)

まつ様
コメントありがとうございます~!
待っていて下さり、ありがとうございます!お待たせしてすみません。あと数話(はっきり言えないのがワタクシ)で終わる予定なので、頑張って書いて行きたいと思ってます~。


最後にこそっと。
一万踏まれた方、リクエストに応えさせて頂きますので、よろしければご連絡下さい~。












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  1. 2016/04/06(水) 10:58:57|
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きらきらひかる 25

刻々と迫る約束の時間に、気持ちは落ち着くどころかどんどん焦ってくる。
ど、どうしよう…心の準備が出来てない
ずっと保津…敦賀さんの体調を気にする事で忘れようとしていた出来事を、夕方来た連絡に…何処か甘く聞こえる声に改めて、ありありと思い出してしまった。
てててて、手の、この手のここに!保津さん、いや敦賀さんがひぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁ!
恋人ならあれが普通なの!? 保津さんは恥ずかしく無いの!?何であんな事出来ちゃうの!?あああそうだ!きっと勢い!あの時"ちょっと"どころか"だいぶ"気にした格好してたから仕事帰りにそのまま来たに違いない!うんまだお仕事モードだったせいよ! 今から来るのは何時もの格好!何時もの保津さん!そうもう二度と無いから私落ち着いて!
「最上さん?」
掛けられた声に反射的に振り向いて、驚きのあまり動揺も混乱もすとんと抜けてしまった。
「………どうして?」
あの時とは違って、まだ人目の多い時間なのに
予想の、"だいぶ"どころか雑誌で見たままの"敦賀蓮"が少し困った様に微笑む。
「どうしてって…何時もの格好では入れないから」
そうでした。ここ、待ち合わせ場所は"ちょっと"どころか"だいぶ"いいホテルのロビーでしたね。その事も、普段の格好では入る前に止められる事も忘れてました。でも保津さ…敦賀さん、あんなに人目を気にしてたのに。
"このままでは駄目だと分かってる"
もしかして、凄く無理をしてるんじゃ。
「…おうち御飯にしますか?」
「それは…せっかく社さん…マネージャーが取ってくれたし」
マネージャー?そんな肩書きが付く人が居るなんて、もしかして本業は学生じゃなくてモデル?
呆然としたままの私にちょっと慌てて答えた保、敦賀さんが今気づいたとばかり目を見張る。
「ワンピース…」
「え?あ…はい。どう、ですか?」
保津さんが買ってくれたワンピース。着てみたら思ったより背中が開いていて恥ずかしいし、ちょっと季節外れの気もするけどこの機会に着なければ一生着れない気がした。
「…冷房がかなり効いてるけど、上着は?持っているなら着た方がいい…風邪を引くよ」
くるんと回って見せた直ぐ後の言葉に、がっくりしてしまう。可愛いと言って欲しい訳ではないけど、似合う位は言って欲しかった…ああ、そうか、似合ってないんだ。
「やっぱり帰って」
「行こう。ここのレストラン、夜景が綺麗なんだって」
妙に頑なな………敦賀さんが私から上着を取り肩に掛けると、手を取ってエレベーターへと歩き出す。
「ここのレストランって、もしかして、味も値段も素敵だと有名な」
「そうなんだ」
「そうなんだって、もう!ちゃんと考えて行動しないと段ボールのお家になっちゃいますよって言ったじゃないですか!」
「そこの支払いに困ら」
言葉と足を急に止めた保津さんが、一点を凝視したまま顔色を変えていく。
「…保津さん?」
「……………あの女」
あの女?
普段無い乱暴な言葉使い、冷たくなっていく手…消えた表情。
まさか
"当時の女マネージャーが目の前で"
亡くなったとばかり思っていたけど、もし生きていたの?
「保津さん…保津さん!」
保津さんの視線の先に居る何人かの女の人は皆"敦賀蓮"を見ていて私には誰か分からない…分かる筈も無い。
"恋愛の縺れ"
声も顔も知らないその人は、そうする事で敦賀さんを縛り付けたんだ。
一生離さないと
忘れさせないと
自分だけを想って生きていけばいいと

記憶を
私を忘れても、その人は覚えているの?

「………っ、敦賀さん!」

そんなの、許さない。







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  1. 2016/04/06(水) 10:55:16|
  2. きらきらひかる
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