六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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Card of cups 13

敦賀さんは淋しいんだ
雑誌の中で笑う"恭子"を見ながら考える。
あの時「無理です」と言いたかった。自分に何も言わないままホテルをキャンセルしたと聞いた時も「どうして」と聞きたかった。その言葉を口にする事無く受け入れてしまったのは…蓮が酷く悲しそうだったから。
恭子さんを失った悲しみを何かで埋めたかったに違い無い。それが偶々側にいた自分だっただけの話で、彼ならきっと直ぐ新しい恋人が出来る…うん、恭子さんの代わりなんて畏れ多い事は出来ないけれど、気を紛らわす事位なら…
玄関のドアが開く音に慌てて雑誌をテーブルの下に隠したと同時に「ただいま」とリビングへ入ってきた蓮に、さっきしたばかりの決意が脆くも崩れ去り動けなくなる。
「お、おかえりなさい、ませ」
どうすればいいのかと身体を固くして悩むキョーコに、蓮も困ったように微笑んだ。
「そんなに困らないで…普通にしてくれたらいいから」
「…普通が、分からないんです」
「分からない?」
「その、アイツとは付き合い始めて直ぐ、私から連絡する事も会いに行く事も 出来なくなって…特殊な職業ですし、は…初めての恋人だったので、どう接していいか考えている内に分からなくなってしまって…ただ側にいるだけになって…」
「キスもしたこと無い?」
滑り出た言葉に真っ赤になり俯いたキョーコが微かに頷く。
「…そう」
「で、ですから、"ふり"をしようにもどうすればいいのか」
「簡単だよ」
「はい?」
「相手が誰かなんて考えず、一番最初の、恋人が出来たら"したかった事"をすればいいから」
恋人に、したかった事?
バスルームへ向かう背中を呆然と見ながら反芻する。
一番最初って、アイツと付き合う前という事…よね?
思い出すのは高校時代の、社会人と付き合っていた同級生ののろけ。聞きながら"私も何時かするんだろうか"と考えた事がある。
休日に二人で何処かに出掛け
「たら、恐ろしい事に…って、敦賀さん一日どころか昼間に部屋に居た日が無いんだけど…お休み、あるはずよね?」
御飯を一緒に食べて
「…いるし」
彼の部屋へ行って洗濯や掃除など身の回りの世話を
「お仕事としてしてしちゃってるし」
離れたく無いとそのままお泊まりして
「もう既に、と言う居らざるを得ない状況だし…他には…」
朝になれば仕事に行く彼をいってらっしゃいと
「…言葉を改める位は出来るわね」
お見送りのキス
「って、本当の恋人じゃないんだからそこまでする必要はありません!」
一気に血が上った頭を床に思い切り打ち付る。
やっぱり良く分かんない!
恋人の筈だった尚に対しても迷っていたのに"ふり"だけの蓮にどう接していいのか分かる訳が無い。
敦賀さんが言い出したんだから、もっと具体的に言ってくれてもいいんじゃないかな!?
恨むような気持ちでバスルームの方へ視線を向けて、蓮が入ってから大分時間が経つというのに出て来た気配が無いのに気が付いた。
「…敦賀さん?」
向かったランドリールームのドア越しに声を掛けるが、無い返事に先程浮かんだ疑問が不安を呼んだ。
そんな様子は無かったけど…疲れて湯船に浸かったまま寝てしまった、とか、過労でた、倒れてる、とか
ドアに手を掛ければ鍵は掛かっていない。意を決しきゅっと目を瞑り足を踏み入れその奥にあるバスルームへと向かう。確かこの辺りに洗面台がとさ迷わせた手にコップらしき物が触れ、落ちた鈍い音と共に水音が立った。
「つ、敦賀さん?大丈夫ですか?」
「え?」
「その、お風呂に入っている時間が何時もより長いので…バ、バスルームの外からもお聞きしたんですが声が届かなかったみたいで、失礼だとは思ったんですが、えと、な、何か問題でも」
「いや…大丈夫。もう出るから」
「は、はい!」
慌てて方向転換すると今度は身体がランドリーボックスらしき物に勢い良くぶつかり、短い叫び声を上げた。






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テーマ:二次創作小説 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2016/01/31(日) 15:36:00|
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