六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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裏の裏

その言葉は時と場合によって酷く胡散臭い響きを持つ場合がある。
時と場合を選ばなくてもその姿と行動で充分胡散臭さを醸し出す事が出来る、キョーコが所属するピラミッドの頂点に立つ人は「ご褒美をやろう」とニヤリと笑った。
「これから忙しくなるぞ。せっかくパスポートを取ったんだ、その前にいってこい」
裏があるに違いない。もしかしたら裏の裏の裏、いや裏の裏の裏の裏の裏かもと指折り裏の数を数えるキョーコに、その人の寡黙な秘書は飛行機のチケットを差し出した。

こうして半ば強引に飛行機に乗る羽目になり約半日かけて訪れた氷点下の世界には、何故か彼の先輩俳優が居て、今、粉雪の舞う中キョーコの横を白い息を吐きながら歩いている。
「敦賀さん、どうしてこんな所にいるんですか?お仕事は?」
「BJの撮影で休みがなかったから、少しまとめて貰ったんだよ」
幸い生放送が入ってなかったからと笑った先輩が、斜め前に指を指す。
「ほら、見えてきた…」
雪のレースの向こう側、閑散とした林の間に見えるもの。
それは白い世界に溶けてしまいそうな姿で建っていた。
「シンデレラ城のモデルだよ。白鳥城と言われるだけあって、白いね」
「白鳥の、城…」
やっと視線を蓮の顔から離したキョーコが呟く。
「来て良かった?」
「はい!私、本物のお城初めてです!」
「そう。頑張った甲斐があったよ」
頑張った?もしかして休みを取った事?
先輩の事だから生放送以外の仕事もあって、だからその前も後も殺人的に忙しいに違いない。今更気付いたキョーコの”何故そんな無理をしてまで”と書いた顔を見て蓮が微笑む。
「約束…遅くなって、ごめん」
"今度 また"
「ここしか思い付かなくて…思ったより時間がかかってしまった」
"何処かに 出かけよう"
「…敦賀さん、と?」
兄さんと ではなくて
「約束しただろう?」
セツカとの ではなくて。
「今ここに居る俺達は兄妹でもなく、役者でもなく、敦賀蓮という名を持つ男と最上キョーコという名の女の子だから」
手袋を外した手が、キョーコの頬を撫でて肩に触れて、胸の中へと導く。
「恋人に、なろう…キョーコちゃん」
熱を出して倒れた彼が呼んだ名前と、同じ響きで。
「社長さんの裏が、敦賀さん?」
「裏?」
「だって社長さんがご褒美と言ったんですよ?何か裏があるとしか思えません」
「そうだね…そうなる、かな」
「敦賀さんの裏は?」
「たくさん有りすぎて、ここでは話し切れないよ。でも今言った言葉にも、気持ちにも裏はない…今まで最上さんに伝えた言葉にも」

”俺の この人生を終えるまで お前の俺で 生きてやる”

"どんな無理な約束でも 守り通してみせる"

「だから…触れていい?」
少し身体を離した蓮が、キョーコの唇に親指で触れる。
「誓いを、ここにしたい」
これにはきっと裏がある。
だから本気になんてしない。
でも
「私にも裏があるんです」
「キョーコちゃんに裏が?」
両手の指では足りなくなって、もうどれだけ数えたか忘れてしまったけれど。

「……私」

今、本当の事を言っても、きっと沢山の裏が覆い隠してくれる。

 






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テーマ:二次創作小説 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2016/01/17(日) 13:13:28|
  2. 短編小説
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  4. | コメント:0
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