六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

Card of cups 10

帰国したと連絡を受けて訪れたホテルには既に恋人が待っていて、蓮は自分から腕の中へ迎え入れた。
「おかえり」
「ただいま…疲れているの?何だか元気無いわ」
「大丈夫だよ」
「そう…?ああ、お土産があるのよ」
するりと腕を抜け出し鞄に向かう恭子の後ろから、再び抱き締める。
「本当に、どうしたの?」
蓮に向き直り、恭子が微笑む。
「蓮から甘えられるなんて、初めて」
「そうかな?」
「そうよ。貴方から連絡をくれたのも、顔が見たいと言われたのも、初めて。嬉しいけど…少し遅かった」
「遅かった?」
見詰める瞳が、潤んでいく。
「私…他に好きな人ができたの。だから…」
「………そう…」
腕をほどき、距離を取ると蓮は恭子に優しく微笑む。
「君がその人と結ばれるのを、祈っているよ」
「責めないの?私は貴方を裏切ったのよ?」
「裏切りではなく、自分が幸せになる為の道を選んだだけだ」
蓮の言葉に唇を噛み俯いた恭子が、テーブルの上の荷物を掴むとドアへと向かい。
「寂しかったの…何も言わないし私を見てくれないから…」
その呟きを残して振り返る事なく部屋を出て行く後ろ姿を見送って、蓮はソファーに腰を降ろすと荒々しく髪をかきあげた。
何時もの事。そう、何時も恋人はそう言って去っていく。 
なのに。
今まで無かった感情が支配して苛立つ。
何も聞かないのは当たり前だ。恭子には恭子の世界があるのだからそこに決して自分が立ち入るべきではないのに。
見てないって何を?恭子が見せたく無いのなら、自分は見るべきではないのに…
" 今凄く不安だと思うんです。 何故会って大丈夫だと安心させてあげないんですか?"

原因は、俺にあるのか。

玄関にキョーコの靴が無く、蓮は靴を乱暴に脱ぎ捨てると割り当てた部屋に向かう。ノックもせずに開いたドアの向こうは誰も居らず、立ち尽くした。
別れの言葉もなく…結局笑顔も見れずに?
呆然とする蓮の耳に届く解錠の音。
「敦賀さん?」
現れたキョーコの手にはマンションの地下にあるスーパーの袋。
「…もう出ていったかと」
「今長期に泊まれるホテルを探してもらってます。それにちゃんと挨拶してから出ていきますよ…っ!つ、敦賀さん!?」
いきなり抱きすくめられもがくキョーコを逃がすまいと腕に力を込める。
「どうしたんですか?」
「…笑って」
「はい?」
「俺に会えて嬉しいと、笑って」
「え…ええと」
もがくのを止めて必死にキョーコは考える。
「…敦賀さんには困っている所を助けて頂きました」
「うん」
「敦賀さんのせいでは無いのに、これ以上無い程良くして頂いて、お陰で新しく住むところも仕事も決まりそうです」
「…うん」
「家政婦というお仕事のお陰で、色んなショックから早く立ち直れたと思います」
精一杯の、感謝を込めて。
「出会えて良かったです。側に居てくれてありがとうございます」
笑顔を暫く見た蓮が、深い溜め息と共にキョーコの肩に顔を埋める。
「…物足りない」
「はぁ!?何がですか!?」
「何かは分からないけど、物足りない」
「敦賀さんが分からないのに私に分かる訳無いでしょ!?」
「そうだよね…」
蓮の何時にない姿が何故か悲しくて、背中に手を回し、そっと撫でた。







スポンサーサイト

テーマ:二次創作小説 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2016/01/04(月) 18:46:30|
  2. Card of cups
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<今年初めての拍手お礼。 | ホーム | 一年の始まり>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://sunagarekenji.blog34.fc2.com/tb.php/451-e1c12d4d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。