六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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一年の始まり

今、何時だろう?

カーテンの隙間から射し込む光に、キョーコはぼんやり考える。

八時はとっくに過ぎているよね…

お正月にこんな時間まで寝ていたのは初めてだと、止まりそうな思考で考える。
今までなら日が昇る前に起きて、お節とお雑煮で食事して…

京都に居たときは、もう働いてた

新年を京都で迎えたい宿泊客で部屋が全て埋まっていて目が回る忙しさだった。
「…何笑ってるの?」
後ろから伸びた手がキョーコの身体を暖かな腕の中へと引き寄せる。
「お正月に、こんなにゆっくり寝ていたのは初めてだなぁ、って思って」
「そう…なんだ?」
「特に忙しい行事の一つですから。それはもう、天手鼓舞になって…」
「……………何をするの?」
「女将さんが各御部屋に新年のご挨拶に伺うのに付き添ったり、お点前のお手伝いをしたり。普段よりも御客様が多いから準備も大変で…」
"天手鼓舞"に腕が一瞬硬直したのに"してやったり"と気を良くしていたキョーコは、ここでやっと自分の失言に気が付いた。
「思い出していたんだ?俺が居るのに」
「いえ、あの、仕事の忙しさを、であって」
「ふぅぅぅぅぅぅぅぅん、仕事、ねぇ…?」
あああ!
悪戯心で出した言葉で気が付いたのだろう。勘のいい腕の主が傍若無人な幼馴染みに関して自分以上に心が狭い事を忘れていた。
「本当なんですぅ~!今までお正月は暗い内から起きてたから、初めてって考えてたら色々思い出して」
「色々?」
穏やかな口調ながらも冷気を含んだ声に冷や汗をかく。
「そそそそうです!よくよく考えると大嫌いだった敦賀さんを見直す切っ掛けになった言葉が天手鼓舞だったなぁと!」
「………新年一番に聞く俺に対する言葉が大嫌いか…」
あああぁああぁぁぁぁ!
「過去形です!!過去形!」
「凄く傷付いたな…今年一年忘れられそうにない…」
「今は自分でもどうかしてると思う程大好きですぅ~!」
涙声で叫んだ途端くるんと方向転換されたその先には、恋人のからかうような笑顔。
「じゃあ、思い出さないように毎日言って?」
「もう!本気で焦ったのに!どこからが演技なんですか!?」
「演技なんかじゃないよ?本当に面白くなかったし傷付いた。だから毎日言って?ああ、行動で示してくれてもいいな」

キョーコから誘ってくれるとか。

言葉の意味にぼふんと頭から水蒸気が上がる。
「お正月早々何を言ってるんですかーーーーーーー!」
「あれ?ナニを想像したのかな?」
「何って、名前で呼ぶのがどんな時か分かっている癖に…!敦賀さんのばか!」
「あ、また傷付いた」
わざとらしくキョーコの上に倒れ込んだ蓮が可愛いくて頬が緩む。

今年はこんな敦賀さんを、たくさん見れるといいな。

「明けましておめでとうございます。さ、もう起きましょう?新年早々だらけてると今年一年そんな年になっちゃいます」
悪戯を仕掛けた自分の手をぺちんと叩いて、ベッドから出たキョーコの背中を見ながら蓮は考える。

今年一年が今日で決まるなら

「やっぱり」
「はい?」
振り向いたキョーコに手招きすると、疑いもせず近付いた身体に腕を巻き付けてぐるんとベッドへ横たえた。
「ぎゃ!敦賀さん何を!」

主導権は握っておくべきだよね?

言葉の代わりににっこりと微笑んで、キョーコに深く口付けた。




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テーマ:二次創作小説 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2016/01/01(金) 08:30:23|
  2. 短編小説
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