六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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Card of cups 4

あからさまに睨む共演者に蓮は微笑むと、一瞬怯んだその隙に間合いを詰める。
「俺が君に何かしたなら、是非教えて欲しいんだけど」
彼女の名前は確か、琴南奏江。同じ事務所の後輩だと社に聞いた。
「…私にではなく、友人に、です」
「友人に?」
「あの子、私の友人なんです」
"あの子"
「あの事で彼女に何かあったのか?」
半月たった今、特に弁解する事もなく騒ぎは落ち着きを見せていたが蓮は何故かずっと彼女が気になっていた。
手に持っていた台本を開いた奏江がさも先輩に相談するふりをして小声で話す。
「付きまとわれて怯えて自分の部屋に帰れない上に、職を失いました」
「…え?」
「誰かが個人情報とでっち上げを流したらしく、暴走した記者が彼女の職場に迷惑行為をしたんです。いたたまれなくなって辞めて、今私の実家にいます」
「…………」
「事情は全て彼女から聞いています。敦賀さんが悪い訳ではないと分かってはいるんですが…原因の一端だと思うと、つい…八つ当たりしてすみませんでした」
そんな事に
「蓮、どうした?」
いつの間にか奏江は居らず、社が心配そうに立っている。
「琴南さんと何かあったのか?」
「…連絡して下さい」
「誰に?」
「琴南さんに…彼女に会いたいと連絡を付けて下さい」


奏江に行くように言われたホテルの一室には眼鏡を掛けた若い男の人がいて、キョーコに敦賀蓮のマネージャーの社倖人だと名乗った。
「こんな事になっているとは知らなくて…対応が遅れてすみませんでした」
「いえ、助けて頂いたのに反対にご迷惑をお掛けしてすみません!」
必死に頭を下げるキョーコを宥め席に着かせ、社はその向かい側に座る。
「最上さん、君は相手の出版社を訴える事ができるよ?でっち上げの記事で職を失い生活に多大な被害があったんだ。こちらも二人の間に何も無いと証明出来るからある程度の慰謝料が貰えると思う。必要なら弁護士を用意するけど、どうする?その間の生活と費用は自社の所属する俳優が原因の一端にあるから保証するよう社長に言われているから安心して?」
「…なんだか話が大き過ぎて…でも、弁護士とか訴えるとかは、ちょっと…」
「不破尚に迷惑を掛けそうだから?」
寝室に続くだろうドアから出てきた蓮の言葉に身を固くし、ぎゅっと眉を寄せる。
「あの時言っていた恋人って、不破の事なんだろ?」
「…そうです」
「蓮、大人しく待っている約束じゃ…って、不破の恋人?…え?ええ!?」
「彼には連絡したのか?」
「もう何があっても関係の無い事ですから」
やっぱり、そうか
タクシーのドアが閉まる寸前のあの言葉に、喧嘩ではなく別れを告げられたのではないかと思っていた。
「で、どうするつもりだった?」
「落ちついたら取り敢えず職探しと引っ越しをと思っているんですが…奏江…琴南さんに迷惑掛けたくないですし」
ますます険しくなる表情にエレベーターで見た姿を思い出す。
…それは、見ている方が暖かく優しい気持ちになるような
「…君家事は出来る?」
彼女にはこんな姿は似合わない、そう思ったと同時に言葉が滑り出た。
「はい?人並みには、一応」
「俺、今家政婦を探しているだ。仕事が忙しくて家の中の事が疎かになりがちでね。ハウスクリーニングが定期的に入ってはいるけど食事までは流石にね」
「ちょ、蓮、何を言い出すんだ!?まさか」
慌てる社を無視して蓮がキョーコに微笑む。
「職は此方で探すから、決まるまで住み込みで働かないか?勿論お給料は出す」
「蓮!」
「マンションに入る時と出る時にバレなきゃいいんですよ。セキュリティは万全だし幸いマンションは地下でスーパーに繋がっている。住民は口が固いしそこで手に入らない物をネットで買い物しても荷物の受け取りはコンシェルジュがしてくれますから一歩も外にでなくても生活出来ます。要は俺達が誰にも言わなければいいんです」
呆然とする二人…正確には一人に微笑むと、どうする?と首を傾げた。
「友達とは言え、他人の家に閉じ込もっているよりはいいと思うけど」
「そうですね…」
「ちょっと、最上さん!?冷静になって!」
「引っ越しをする為には先立つ物が必要なんです。今は誰にも知られない場所で働けるなら、何処でもいいんです。宜しくお願いします」
椅子から立ち上がると、キョーコは深々と蓮に頭を下げた。







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テーマ:二次創作小説 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2015/11/30(月) 12:15:44|
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