六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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きらきらひかる 20

その開かれたページに思わず釘付けになってしまった。
「ね、保津さんに似てるでしょ?」
私には写真の中の、高級感溢れる服を違和感なく着こなすこの人が本人にしか見えないんですが。
前髪を上げた彼の姿は何人かの目に止まり瞬く間に噂となった。捕まらない当人ではなく私の所へと噂の真相を確かめに来る人の興味津々な表情と質問が嫌で警戒していたのに、いきなり目の前に差し出されたその洋雑誌に逃げるタイミングを失ってしまった。
「こ、この人は」
「敦賀蓮。日本人で初めて、唯一アルマンディと契約したモデルなの。アルマンディ知らない?イタリアの老舗ブランドでメンズファッションで有名なの。でも日本ではバッグとか靴のイメージが強いせいか雑誌にスーツの広告が載る事はあまり無くて、蓮を知っている人は少ないけど海外では外国人負けしない体格とマスクで人気があって…」
"客寄せ"
"着たり脱いだり"
"たまに色々要求される"
「へ、へぇぇぇぇぇそぉぉぉなんですかぁぁ……………って、噂?」
彼女が熱をもって延々と話す内容は私の耳を右から左へと流れていたのに、その言葉だけが引っ掛かった。
「マネージャーが目の前で自殺したからって」
「じさ………っ!?」
「デビュー当時は日本でも活動してたのに、今海外向けの仕事だけしているのは当時の女マネージャーが目の前で自殺したからって噂が流れているの。それにショックを受けて何年も休んで、もう復帰は無理だろうと言われてて…所属する事務所を変えて復帰しても海外の仕事ばかりしているのはそのせいだって」
「な、何で、自殺なんか」
「さぁ?ネットでは金銭のトラブルとか恋愛の縺れとかって書かれてるわ。恋愛なんて…デビューは中学生の時って話だからかなり年が離れていた筈なのに、ねぇ?」
話すのを憚るような内容を何でも知っているとばかりに自慢気に、そして嬉しげに話すのに、ざわっと鳥肌が立った。
「ね、彼、紹介してよ」
「な、何故?」
「いいじゃない、私ファンなの。載っている雑誌、持っている小物、蓮に少しでも繋がる物は全て手に入れたい程凄く好きなの。こんな小さな雑誌の中ではなく何時も、直ぐ近くでその顔を見ていたいの。だから紹介してよ、愛しているなら分かるよね?」
「や、そのツルナントカさんじゃないですし、人と関わるのが苦手な人なので」
「本人なんでしょ?知らないふりして、独り占めする気?ああ、他人だと言い張るならそれでいいから、紹介してよ。他人なら出来るでしょ?」
ぐっと私の腕を掴んだ彼女が話を全然聞いていないのにも目が笑っていないのにも怖くなり、振りほどいて逃げるようにその場を離れる。
疑問には思ってた。
無理をして背筋を伸ばしてる様子がないから、わざと丸めてたんじゃないかって。眼鏡だって、あの時落としたにも関わらず足取りが迷う事はなかったから本当は必要ないじゃないかって。
そして
七倉美森とどう過ごしたか覚えていないと、私達が付き合う事になった切っ掛けを必死に考えていたのが嘘だとは思えない。
もしかして仕事についてはっきり言わない理由は、ううん、それ以前に、保津さんが人と関わろうとしないのは、感情がぺらぺらになって覚えていられなくなったのは
過去忘れたい、本当に忘れてしまうような何かがあったんじゃ
「って、だからあの人が保津さんだと決まった訳じゃないし!」
何度声に出して否定してみても"もしかしたら"は頭から離れない。
他人から落とされた影は、私の心に何時までも残った。




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テーマ:二次創作小説 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2015/11/23(月) 08:13:44|
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