六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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Card of cups 2

部屋に入ると帽子とサングラスを外してテーブルに置き、今入って来たばかりのドアを振り返る。
突然腕にすがり付いてきた彼女はきっと、エレベーターの中で浮かべたあの笑顔のまま恋人の腕の中に飛び込んで甘えているに違いない…
真剣な表情でスカートの乱れを直し、ちょっと不満気に少し跳ねてしまった髪をすいて。点滅する表示を見る瞳は恋人に会える嬉しさに溢れていて…愛しているのが手に取るように分かった。
相手は可愛らしい彼女によく似合う、誠実な男なのだろうと思う。安いとは言えないこのホテルに部屋をとるのだから年上かもしれない。あんな純粋な瞳で見上げられたら手なんて出せてないかもしれないな…
かちゃりとドアが開き入って来たのは勿論、飛び込んでくる様子を想像していた彼女ではなく。
「ただいま、蓮」
「お疲れさま」
少し疲れた顔の恋人の赤い唇が自分のそれに触れた後小さく笑う。
「何だか楽しそうね?」
「君に会えたからね」
「…本当に?」
「他に何がある?」
再び触れた唇が徐々に深くなるのに応えると、首に回されたしなやかな手がゆるりと首筋を撫でる。
細い指が蓮のシャツのボタンを外し素肌に触れた所で囁いた。
「明日早いんだろう?」
「それが?」
「休まなくていいの?」
「…逃がさないわよ?」
恋人は体重を掛けて蓮をベッドへと押し倒すと、その上にのし掛かった。


朝まだ暗い時間にフロントに降りると、ロビーのソファーに昨夜の彼女が座っている。
「おはよう、どうしたの?」
「ショーちゃ…!」
寂しげな背中が気になり声を掛けた蓮に、振り向いた笑顔が消えていく。
ショーちゃん、か。喧嘩でもしたのかな。
「…昨日はありがとうございました」
「どういたしまして。変な男、まだいるの?」
「…はい」
「なら一緒に出ようか」
わざわざ傷付ける必要は無いと嘘に乗った蓮に暫く考えた後頷き立ち上がった彼女の肩を抱くと、驚いて見上げた視線に人差し指を自分の唇に当て囁いた。
「連れの、ふり」
「…はい」
入り口に停まっていたタクシーに蓮に頭を下げた彼女が乗り込み、ドアが閉まる瞬間。
「…直ぐに忘れてやるんだから」
聞こえた言葉に驚いて、窓越しにみた彼女は怒ったように真っ直ぐ前を向いて。走り出したタクシーを暫く見送った後、一端マンションへ帰ろうと駐車場へと向かう。
自分が今降りてきたばかりのエレベーターが開くのが視界の隅に写り、まさかと目を向けると降りてきたのは自分と同じようにサングラスをした派手な男。

そんなタイプでないと分かっているのに。

あの時の彼女に感化されたかと苦笑した。










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テーマ:二次創作小説 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2015/11/21(土) 09:24:30|
  2. Card of cups
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