六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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きらきらひかる 17

保津さんの顔と髪を濡らしたビタミンウォーターの派手な色が頬を伝い落ち、服の染みを大きくしていく。
「ほ、保津さん!大丈夫ですか!?」
「カッコつけたつもりか?ザマねぇな」
「何て事するの!謝りなさいよ松太郎!」
痛むのか、俯いたままの顔を拭こうとした私の手を無言で制した彼が、ゆっくりと松太郎に視線を向ける。
「…君、松太郎、っていうの?」
「ああ、そうだけど?」
「何しに来た?まさかペットボトルを投げに来たとは言わないよね?」
穏やかな口調とは裏腹に、保津さんの纏う空気はどんどん気温を下げていく。
………当たり前だけど、怒ってる。
「地味で色気のねぇコイツのドコが良かったかオマエに聞きに来たんだよ」
「…彼女をそんな風に言う筋合いは君には無いんだけど」
怒気を含んだ静かな声に松太郎の顔から笑いが消える。ざり、と一歩踏み出した音が妙に響いて私までびくりとしてしまう。
怖い。怖いけど、これも本当の保津さん。
「何処が良いって?君が知る必要は無いし教える必要も無いんだよ。理由は分かっているよね?なのにわざわざ会いに来たのは俺がどんな男かが知りたいからじゃないか?」
ゆっくりとかき揚げた髪の下から現れたのは、長い睫毛に縁取られた切れ長の目。長い前髪ばかり目にいって気付かなかった高く筋の通った鼻に形の良い唇。それらはシャープなフェイスラインの中に完璧と言えるバランスで治まっていた。
「「…………!」」
「俺について聞きたい事があるなら、何でも答えさせてもらうよ?松太郎くん」
するりと距離を詰められたのにも、気付かなかった保津さんの大きさと迫力にも驚いて松太郎が一歩足を引く。逃がさないとばかりに鋭い視線を投げ続ける彼を松太郎も私も呆然と見るしかなった。
「……無いみたいだから帰ろう」
鋭さを残したままそう言って、私の手を取り歩き出した足は速い。
普段とは違う、着いていくのに精一杯の速度で黙って前を歩く姿に何を考えているかが分かった。
終わってしまったんだ
もう恋人のふりなんてしなくていいから私に合わせて横を歩く必要は無いし笑う必要も無い。やっと終わったと清々して、ううん、身勝手な女に付き合ったせいで酷い目に合ったと怒っているに違いない。そう、保津さんがこんな目に合ったのは私のせい。なのに最後まで恋人らしくしてくれた。
何処までも私に付き合ってくれた保津さんの努力に報いる為にもすっぱり終わりにして。

…もっと早く自分の気持ちに気付いていれば、違う未来があったかもしれないのに




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テーマ:二次創作小説 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2015/09/18(金) 16:31:10|
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  1. 2015/09/18(金) 18:54:28 |
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