六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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きらきらひかる 13

時間が経つにつれて雨は激しくなり、雷まで鳴り出した。
「これからもっと激しくなるみたいですね」
夕飯を食べながらテレビの天気予報を見ていた彼女が不安そうに呟く。
「電車、止まるんじゃ」
「…食べたら帰るよ」
暗に帰れと言われているんだと思い黙々と食べていた俺は、時々彼女の箸が止まるのに気が付いた。
どうした?
そう声を掛けようとした時落雷の音が大きく響き、それと同時に彼女の手から箸が床に滑り落ちた。
「す、すみません。私ったら、お行儀悪い」
ひきつった笑いを浮かべる顔が青ざめている。もしかして
「雷、嫌い?」
「や、平気です。大丈」
言葉が終らない内に再び、それもかなり近くから落雷の音が響き箸を取ろうとした格好のまま耳を塞ぎきつく目を瞑る。
「…ぶ、大丈夫、平気平気」
「そうは見えないんだけど」
涙を浮かべた目で俺を見る。
「ほ、本当に平気なんです。ただ、大きな音が苦手なだけで」
「……」
「本当に大丈夫。それより、電車が止まると帰れなくなっちゃいますから」
本当に言葉通り帰っていいのだろうか?
「雨が強すぎるから、もう少し様子を見てからにするよ」
疑問は考えるよりも早く遠回しな言葉となって滑り出た。
「大丈夫、直ぐには止まらないから」
「………本当?」
「本当」
その言葉に落ち着かない様子で替えの箸を取ってきた彼女が、目を游がせる。
「す、すみません、隣に座っていいですか?」
「…どうぞ?」
遠慮がちに邪魔にならないだろう位置に座ると、やっと安心したように食事を再開する。
…いくら雷が怖いからって
付き合うのも、二人で何処かに出掛けるのも、手を繋ぐのも、部屋に招くのも、噂を広める為。
人目に付かない場所なら"恋人らしく"振る舞う必要なんて無いし、彼女もそれを分かっている筈なのに。
雨音の中響く着信音に携帯を取った彼女が笑顔になる。
「モー子さん!?うん、凄いね、びっくりしちゃった…もしかして心配して掛けてくれたの?嬉しい!うん、大丈夫!」
背を向けてうきうきと話し出したのを見て、本当に大丈夫そうだと溜め息を付いた途端。
「ひゃ…っ」
一際大きく鳴る雷と点滅した灯りに驚いた彼女が俺の身体にぶつかった。
「…うん、大丈夫。ちょっとびっくりしただけ」
振り向いた最上キョーコが、俺を見て笑う。
「保津さんが側にいてくれるから、平気」
きっと、噂を広める為の言葉。
そこには何の感情も無い。
けれど、もし、彼女が同じ感情を抱いたなら
俺は初めて、終わり以外の未来を考えた



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テーマ:二次創作小説 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2015/09/06(日) 17:24:56|
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