六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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何度も恋をする 1

「お困りですか?」
声に顔を上げれば、派手なピンクのツナギを着た女の子。
「…携帯、貸して貰えないかな?」
「ごめんなさい。持ってないんです」
相手が何処の誰かなんて考えている余裕無く聞く俺に、困ったように眉を寄せる。
「天手鼓舞いの忙しさに自分でも持っていない事に今気付いて」
「え…?」
調べたかった言葉を耳にして聞き返した俺に、急いでいるのかきょろりと辺りを見渡した彼女が言う。
「だから、忙し過ぎてあちこち動きまわっていたので携帯を持っていない事に今気が付いて」
「…そう、忙しいのに引き留めてごめんね?ありがとう」
「いえ、声を掛けたのは私の方ですから」
舞いではなく、動きを表す言葉なのか。
にこりと笑った彼女の去っていく背中に助かったと溜め息を付き、心に余裕が出来て気が付いた。
何処かで会った事があるような
改めて確認しようとした時には既に姿はなく…
「ごめんなさい。起こしちゃいましたか?」
気のせいかと忘れていた筈の彼女が、何時の間にか自分の部屋のベッドで横になっている俺の目の前にいた。
「熱を出して倒れたの覚えてますか?」
「…なんとなく」
誰かが声を掛けてくれて気が付いて。あれは、彼女?
「…仕事は?」
「ちゃんとこなしてましたよ。明日は熱があると素直に話して少し時間をずらしたらどうですか?どうせ道路が混んで間に合うか怪しいですし…って、それが出来るなら無理はしないですよね…本当、仕事熱心過ぎるんだから」
「…明日?」
会話の不自然さに聞いた俺の言葉に彼女が動きを止める。
「君は誰?どうしてこの部屋にいる?俺の事よく知っているみたいだけど…」
「人気俳優の敦賀蓮を知らない人なんていませんよ。それにちゃんと自己紹介したし、承諾も頂いて付き添って来ました。覚えてないんですか?」
「…そう、だっけ」
思い出そうとする俺を遮るように、彼女の指が髪をすく。
敦賀蓮という器ではなく、もっと奥底の、自分でも触れられない場所を優しく撫でられる感触。
それに嫌悪を感じる何処か、当然のように受け入れている自分に驚く。
君は、一体
「……やわサラは変わりませんね…」
何時俺の髪に、触れたの?
「何処かで…会った事、ある?」
「テレビ局で、会いましたね」
違う、きっと、もっとその前に。
離れて行く指を掴まえて、頬に寄せる。
俺は何故、こんな事をするのだろう…
「……………敦賀さん?」
触れる温かさが、優しく呼ぶ声が全ての疑問を覆い隠して。
俺は眠りへと落ちていった。




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テーマ:二次創作小説 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2015/06/14(日) 19:00:13|
  2. 何度も恋をする
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  4. | コメント:0
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