六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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フェアリーテイル 7

スタジオがあるビルの玄関には社が待っていてキョーコを見つけると手を振り駆け寄った。
「今大丈夫だった?時間取られそうな仕事入ってる?」
「一件使って頂いてますが、そんなに時間は取られません…あの、私また何か…?」
養成所で指導を受けている最中に呼び出され、急いでいるからと説明も着替える隙もなく行き先だけ告げられタクシーに押し込まれた。
「詳しくは社さんに聞いて」
社さん?って敦賀さんのマネージャーの社さん?
最近蓮とは事務所で会った時に進まない魔法の解き方についての短い報告をし合うだけ。社はその時大抵席を外していて、コーンの事も知らないから会って話をしたは蓮よりも更に少ない。もしかして自分で気付かない間に迷惑を掛けてしまったのかと考えるが思い付か無いし、掛けたとしても仕事熱心で有名な先輩が指導を中断させてまで呼び出すとは思えない。
理由が分からず不安げに自分を見るキョーコに社が微笑む。
「実は蓮が撮影中のドラマで、今日いきなり降板しちゃった女優さんがいて」
特別重要ではないしセリフは少ないが立場上出番が多く名前もある役だと説明する。
「良く似てる娘を誰か知らないかって話になった時にキョーコちゃんを思い出したんだ。話をしたら直ぐ呼んでくれって事になって」
「…名前のある役の、仕事?私が?」
「今からするテストに合格したら、ね。 これ台本、付箋のあるページの台詞を覚えて」
キョーコを更衣室にいるスタッフに引き渡し、撮影が行われているスタジオへと向かう。
ちらりと自分を見た、監督と話をしている蓮に手を挙げて応えると安心したように話に戻っていく。
…もしかしたら、キョーコちゃんは凄い幸運を掴んだかもしれない。
『育ちの良いちょっと古風な感じの役が出来そうなよく似た女の子、誰か知らない?』
それは突然のアクシデントに困り果てた監督がつい口にした言葉。
右往左往する現場の邪魔になってはいけないと壁際に移動する蓮が耳にして、少し考えた後呟いた。
『…育ちの良さって、食事する時出ますよね…』
直ぐキョーコの姿が思い浮かんだ。
迷惑を掛けたと落ち込むキョーコの気持ちを解そうと食事に誘いマナーの良さを褒めたのは自分だし、その女優を見て似ていると感じたのはつい最近の事。
『新人でも良ければ、心当たりがあます』
社の言葉を聞いた蓮の驚いた様子から深く考えずに言ったのだと分かった。社にしても自社に所属する芸能人の一人を世に出すチャンスを作ったに過ぎない。
でも
このドラマは気難しい作家がやっと映像化を許したヒットセラー小説が原作で、その仕上がりが注目されていた。
監督も役者もそれを充分に知っていてかなり気を使っていたのに。
突然の降板。オーディションして撮り直す余裕もない進行状況。リタイヤした女優と偶然にも良く似た背格好のキョーコ。重要ではなくてもきちんと、いやそれ以上に役をこなせれば出番が多い分人の目に留まり更にチャンスを掴む事が出来る。
…この幸運はもしかして、蓮が譲った御守りのせい?
蓮が石を無くさなければ、キョーコが拾わなければ訪れなかった幸運。
でも、その幸運もチャンスも自分の力で掴み取らなければ意味が無い。
「最上さん」
スタジオに現れたキョーコの緊張を解そうと蓮が声を掛けるのを見て、自分もその力の助けになればと足を踏み出した。






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テーマ:二次創作小説 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2015/06/07(日) 21:06:37|
  2. フェアリーテイル
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