六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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理想と現実

最後の一枚を気合いと共に脱ぎ捨てて、キョーコは姿見に映る全裸の自分に目を向ける。
あ、やっぱりちょっと太ったかも。
体重計だけでは分からない身体の変化に改めて蓮の言葉を思い出す。

「理想の体型の作り方?」
「…今更なんですが、体重を気にするだけでは駄目だと気付きまして…」
先日着た衣装がこれでもかと身体のラインを出していて、自分のメリハリの無い体型を改めて思い知らされ落ち込んだ。どうにかならないかと仲の良い仕事仲間に聞いて回ったが"作る方法"ではなく"維持する方法"だという事に気が付いて更に落ち込んだ。
悩み困った挙げ句、神が創りたもうたとしか思えなの完璧な身体を持つ先輩である恋人に泣きついた訳だが。
「……バランスのいい、綺麗で魅力的な身体だから変える必要なんて無いよ?それに俺は男だから参考にはならないと思うんだけど」
「いいえ!過去モデルウォークを教えて頂いた経験から敦賀さんなら!絶対!ご存知の筈です!」
前半の言葉を無視して必死な形相ですがり付く恋人に微妙な気分になりながらも蓮は考えた後口を開く。
「…俺の場合、なんだけど。鏡で体型をチェックするんだ。全裸で」
「ぜ…………っ!?」
「でないと全体のバランスが分からないから。体重が落ちたなら何処かの筋肉が落ちた筈なんだ。落ちた部分だけ見て鍛えてもそこだけ強調されたらアンバランスだし理想的ならそれに見合う身体の作り方を考えられるし、肌の状態もチェック出来る」
「なるほど」
「それに視覚で確認した方が記憶に残りやすい。覚えていれば普段の行動でも身体を作る為の動作が出来るだろう?…ああ、観察力が鋭い最上さんには、この方法が向いているかも」
骨格までも観察できるし思い込みが激しいしと遠い目をしながら言った蓮の言葉を素直に受け取って、こうして姿見の前に立っている。

この辺り、とキョーコはウェストに手を置く。数字の上では許せる範囲だが、少し絞らないといけない。後ろを向いて背中が荒れてないかチェックして腰に視線を落とす。
…もう少し、ボリュームがあったらメリハリのある身体に見えるかな?ううん、それよりやっぱり。
再び前を向き下から胸に手を添える。
こっちに欲しい。
でも、この身体にバランスがいい大きさって、どのくらい?
『バランスのいい、綺麗で魅力的な身体』
「……………!」
よくよく考えれば自分の身体を知っている"恋人"の発言で。
『…キョーコ』
胸どころか身体の隅々を知っているのだ。
その目で見て、大きな手で…唇で触れて。
「!!!!!」
全裸のまま正座して床にがんがん頭を打ち付ける。
「これは仕事よ!?仕事の一環なのよキョーコ!なのにこんな邪な記憶に囚われて…っ」
『…………っ』
恋人の濡れた唇から零れる吐息、首筋を流れる汗、綺麗に浮いた鎖骨、動く度、逞しい、でも嫌味無く付いた腹筋が僅かな光の中で陰影を作り…
「のぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーー!」
絶叫が部屋にこだました。

久しぶりに会えた恋人の、やつれた顔に蓮は首を傾げる。
「少し痩せた?」
「…お陰様で、ウェストも細くなりました!」
怒りを含んだ口調を不思議に思いながらも理想の身体を作ろうとした結果だと判断し眉をしかめる。
「体重を気にするだけでは駄目だと言ったのは自分じゃないか。俺の話聞いていたのか?ちゃんと身体全体を鏡で…」
「やーーーめーーーてーーーーー!」
驚いて固まった蓮をキョーコはきっと睨み付ける。
「身体の事だけは!二度と!絶対!敦賀さんから助言は受けません!」
「身体の事だけはって」
「もういい!諦めた!理想的じゃなくても私はこの身体を一生維持して生きていきます!」
何が起こっているか全く分からないけれど。
無防備な恋人が、他の男に身体の相談をする心配は無さそうだと安心して溜め息を付いた。



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テーマ:二次創作小説 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2015/05/05(火) 14:00:51|
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