side-S の続きです。
ヘタ蓮万歳。
敦賀氏は確か松の本名を知らないですよね(汗)
だから"尚"です
何時も背筋を伸ばし少し上を見るように歩くキョーコが、背中を丸めうつむき歩く姿に胸が痛む。
キョーコちゃんは何時もこうやって一人で泣く場所を探していたのか。
車の中から見てしまった二人の姿。
ーーー俺はまた間に合わなかったのか
頭に血が上り場所も考えず停めたタクシーから飛び降りた時、目に入ったのは一人歩く不破尚。
こんな時、アイツは何時も自分より早く彼女の前に現れる……
『あの二人の間には何かがあるとしか思えないよ』
何時かの社の言葉。
自分の知らない空白の時間。その間二人が作り上げた何かに自分の入る余地は無いのか。
ーーーグアムでの事がなければ、俺はきっとこの男を
「…何しに来たんだ」
笑いを浮かべようとしただろう顔がひきつっている。
「アイツは大丈夫だ。ガキの頃からそうなんだよ。ちょろっと一人になりゃあ直ぐ元通りに」
「…その少しの間彼女がどんな風に、どんな思いで泣いていたか知っていて言っているのか?」
眉を寄せた尚の後ろ、ふらりと姿を現し力無く歩いていくキョーコを追う蓮の背中に尚が叫ぶ。
「ほっとけよ!アイツは一人になりたいんだ!」
「一人になりたいんじゃない…探しているんだ」
ーーー冷静になれ。今はそんな事考えている場合じゃない
不破は知らない。
母親を求め、振り向いて貰えない淋しさから泣くキョーコを見ていたなら一人になんて出来る筈が無い。
ーーー見守るしか無いのか
敦賀蓮は何も知らない。
宛もなくさ迷った末に行き着いただろう、広場のベンチに力尽きたように座るキョーコが右手に持つ何かに視線を落とす。
『妖精の王子様から貰った、悲しみを
吸い取ってくれる魔法の石なんです』
『騙されたと思って一緒に居てみませんか?』
『きっと貴方のお役に立てましょう…!』
『この者にいたわりと希望の萌芽を』
嘉月の時も、カインの時も、そして…久遠も、彼女は大切な物を差し出して救ってくれたのに
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テーマ:二次創作小説 - ジャンル:アニメ・コミック
- 2015/04/26(日) 07:00:15|
- act 223続き妄想(ネタバレ注意)
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