六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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0213Valentine

ビーと音を立てて紙テープを引っ張り封をし台車に載せた所で振り返り、壁…正しくは段ボールの山の向こうに居る人に声を掛けた。
「出来た分、ありますか?」
暫く待っても返事がないから、再び大きめに声を掛ける。
「敦賀さん、出来た分、ありますか?」
のっそりと覗いた後頭部を返事と受け取って、キョーコは山の平面を指差した。
「そこに置いて下さいね。台車、そちらまで移動出来ませんから」
二人を隔てる段ボールは全て、敦賀蓮へのプレゼントが入っている。
誕生日とバレンタインが近いせいで、この時期どかんと愛のこもったプレゼントが届くのだ。
毎日、それこそ段ボールで山のように。
「…何で最上さんが整理してるのかな」
仕事が終わってそのまま確認に訪れた受取人の第一声。
「人手が足りないそうなので」
にっこり笑った"元"である筈のラブミー部員一号に「そう」とキュラスマイルで答えた彼はスーツの上着を脱いでネクタイを肩に掛けると「自分に届いたプレゼントだから自分で整理しないとね」と腕捲りした。
因みに。
キュラスマイルが出た時点で彼のマネージャーは「まだ仕事が」とひきつった笑顔で踵を返し、一緒に居たやはり"元"である筈の二号三号は「本人がするべきよね」と撤退した。
ぱたんと、段ボールが入れられた部屋のドアが閉まった途端きゅきゅきゅっと綺麗な眉間に皺を寄せたその人は大きな身体で器用に山の狭い間を縫い歩き一山向こうに、キョーコに背を向ける形で腰を降ろし無言でてきぱき整理を始めた。
怒ってる。
だらだら冷や汗をかきながら話をするタイミングを計るが上手くいかない。
せめて彼が此方を向いてくれればと思うが、いつ見ても段ボールか後頭部なのだ。
やっと彼の作業に追い付いて、キョーコはじっと彼が振り向くのを待つ。
「疲れましたか?」
「……………」
「明日も早いんですよね?もうお帰りになった方が」
「…………………」
「つーるーがーさーん?」
「…最上さんは、平気なの?」
「は?」
「恋人が貰った沢山のプレゼントを整理して、平気?」
「でも、これだけのプレゼントが贈られてきたら誰かが手伝わない無理ですよ」
キョーコの答えに後ろ姿の肩が下がる。
「うん…そうだね…そうだけど」
「アメありますよ?これ食べながらもう一踏ん張りしましょう」
その言葉にやっと振り向いた彼の襟元をアメを差し出した手で捕まえると、ぐっと自分に引き寄せた…つもりが自分が突進する形になり。
段ボールがキョーコの身体に当り鈍い音を立てる。
「…バレンタインプレゼントの、前渡しです」
彼がプレゼント貰うのも自分が整理するのも仕事だから仕方ないと心に言い聞かせてはいたけれど、この愛のこもった高価なプレゼントを笑顔で受け取ったかと思うとキョーコもちょっと、いや、かなり複雑な気分になっていた。

平気な訳、無いじゃない。それに気づかず怒って拗ねるなんて。

渡した人達の前では流石に出来ないけれど、渡された品の前では許されるだろう…たぶん。
「…俺は明日の楽しみが無くなったの?」
そう、後一時間もすれば訪れる当日に渡さないのはちょっとした意地悪。今渡したのは、気持ちに気付いて欲しいから。
そして彼には充分伝わったらしい。
「そうですよ。残念ですか?」
「全然?もっと良いものを貰うから」
「無いですよ?あってもあげませんけど」
「二時間後にはそんな事言ってられないよ?」
「わわわわ私!荷物運んで来ますので!」
段ボールの山を越えようとする彼に悪い予感が働いて、慌てて台車を押して出口に向かう。
早く出ようと内開きなのを忘れてぎりぎりに着けてしまい、慌てて移動させてる間に捕まった。


キョーコの叫びを数メートル先で聞き、驚いて駆け寄った社が見たのは惰性でゆるゆる動く台車とドアで。
悩んだ挙げ句恐る恐る覗き込んだ部屋に誰もいないのに安心すると同時に何が起こったのか何となく予想が付いて溜め息を付いた。
キョーコちゃんの為にも、これ以上この段ボールの山を放っておく訳にはいかないよな
仕事熱心なマネージャーは徹夜覚悟で上着を脱いだ。











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テーマ:二次創作小説 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2015/02/13(金) 20:48:42|
  2. 短編小説
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