六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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0210Birthday

時間を確認しようと台本から顔を上げて、蓮は自分の失敗に気が付いた。
朝食どころか昼食も食べていない。
朝コーヒーを入れパンをトースターに入れた後、待っている間に少し台本の確認をしようとリビングに取りに行き。

そのまま没頭していた。

つまり、トースターの中には既にかちかちになっているだろう食パンとキッチンテーブルの上にはコーヒーとそれを乗せる為に出したお皿が出しっぱなしで、朝早く仕事に出た恋人が帰ってくる前に証拠隠滅をしようと立ち上がった所でかちゃりとドアが開く音がした。
聞いていた時間よりだいぶ早いが。
この部屋の鍵を外から開けるのは、自分とその恋人しかいない。
「ただいま帰りました」
「おかえり」
可愛く笑う恋人にうっかり全て忘れそうになったが夕飯の食材だろう買い物を置くためにキッチンへと向かう姿に慌てて聞いてもらえないだろう言い訳を考える。
「手、洗ってきます。敦賀さん、ご飯はちゃんと食べてくださいね?」
うん?
キッチンから現れた彼女は予想に反して穏やかな表情と声音で、不思議に思い移動する彼女を伺い見る。
「…仕事で何か良い事があった?」
「特別無いですよ?」
それでも普段とは違う態度に腰を上げ、再びキッチンへと向かうキョーコの後を追った。
「じゃあ悪い物を食べたとか」
「何ですかそれ?」
「いや、最上さん怒らないから」
「怒ってますよ」
すごぉく、と言いながら食材を袋から出していたキョーコが蓮を見る。
「でも、誕生日に怒るのも嫌だし怒られるのも嫌でしょう?だから、です」
「誕生日?」
「やだ敦賀さん、今日誕生日でしょ?それも忘れてたんですか?」
そう言えば、そうだった。
何時も仕事で誕生日ですねおめでとうございます"なんて分刻みで言われるが、今日は丸一日休みでそれが無い上に役作りに没頭していてすっかり忘れていた。
「…最上さんが帰ってくる時間は覚えていたんだけど」
じっとりと蓮を睨みながら聞いていたキョーコが、にこりと笑う。
「ま、いいですよ。プライベートで良い事があったから今日の私は機嫌がいいのです」
「何?」
「当日におめでとうを言えるのは私だけです!」
重大発表をするように、キョーコは両手を精一杯上げる。
「今日プレゼントを渡せるのも、私だけです!敦賀さんの特別な日を独り占めです!」
花が咲いたように笑うキョーコと、驚いた表情の蓮との間に沈黙が流れる。
「あああ…あの、仕事が仕事ですから、こんな事これから絶対無いだろうなと思ったら、なんというか、一人浮かれてすみません」
「…いや、そうじゃなくて」
恥ずかしくなってしょぼしょぼと腕を下げるキョーコに慌てて蓮が言う。
「最上さんは本当に凄いなって、思って」
「は?」
自分の産まれた意味を見出だせなかったから、誕生日が特別なんて思った事はなかった。
おめでとうという言葉も、挨拶程度にしか受け止めてなかった。
それをキョーコはいつも
そう、誕生日だけでなく自分に付随する全ての記号とそれを表す言葉を何時も意味のある物にしてくれる。
「ありがとう」
「はぁ…どういたしまして?」
不思議そうに首を傾げて言うキョーコの中途半端に上げられた両手を持ち上げ。
「最上さん、万歳!」
「え、ええと?」
「 Очень хорошо. !」
「???」
自分の両手をぶらぶら揺らしながら笑う蓮に、キョーコは不思議そうに身を任せていたものの。
ま、いいか誕生日だしねと笑顔になる。
「敦賀さんも、オーチンハラショー!」

彼の誕生日は、今始まったばかり。




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テーマ:二次創作小説 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2015/02/11(水) 04:49:35|
  2. 短編小説
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