六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

捧げ物:恋心

新幹線の窓から見えた低く厚い雲は今、冷たい幕を垂らし世界を薄暗く覆っている。

「どうしたの?」
何故ここに居るかではなく、何故様子がおかしいのかを聞きたげに、不思議そうに声をかけたのは…片想いの人。
キョーコは、はた、と足を止めゆっくりと蓮を見た。
振り返ってはいけない。そう思うのに。
ロケ先を訊ねたものの、何か用事があったわけではない。
・・・ただ、姿を見たかっただけ。
たった二日。たった二日会えなかっただけなのに気が付けば彼の元へと向かっていた。
・・・そんなこと、言えない。
「最上さん?」
近寄ってくる大きな人。
翳している大きな傘が、キョーコとの間を遮る幕を一枚一枚開いていく。
心配そうにキョーコを見るその整った顔立ちが、黒い瞳が、だんだんとハッキリと目に映り。
もう、隔てる物は何も無い…

ぽつん

蓮の傘から、キョーコの傘に落ちた雫の音が、全てを忘れさせた。
「・・・・暖めて下さい。」
何もかもを捨てて彼を求めてしまった自分が怖くて、指先から冷えて震える身体を、心を、何時かのようにその腕の中で暖めて欲しかった。
「…どうして、欲しいの?」
その言葉に我に返ったキョーコの顔がかっと朱に染まる。傘が影を落としている蓮の顔は無表情で。
「上着を貸して欲しいの?何処か濡れない場所へ連れて行って欲しいの?それとも…抱いて欲しいの?」
答えられる筈がない。
想い人がいながらも幸せになる資格がないと、寂しげに笑った彼の側に居るためにこの気持ちを隠し通そうと決めたのだから。
そして…
呆然と立ち竦むキョーコに、更に蓮が問う。
「ね…どうして欲しいの?」
さぁ、と、二人の間を幕が風に流されはためく。
「俺は、もう最上さんにその場限りの温もりをあげる事は出来ないんだよ」
彼が迷いを捨てたなら、もうその腕の中に自分を入れてくれない。
きゅ、と噛んだ唇が…心が、痛い。どう繕えば彼の側に居られるのだろう…
「だからといって他の誰かがそれを与える事を許さない、我が儘な男だ」
「…え?」
「そして…嫌われるのが怖くて自分から動けない、臆病な男だ」 
一体彼は何を言っているのだろう?
探ろうとしたキョーコの視線を遮るように、蓮は顔を斜め下へ背ける。
「なのに、俺から逃げないように君を絡め捕らえようとする、狡い男なんだよ…」
私を、捕らえる?
どくんと、心臓がなる。
ゆっくりと顔を上げた蓮の瞳が、揺らぎながらも熱を持ってキョーコを見る。
「君を抱いたらもう、離してあげる事は出来ないんだ。だから…この先は最上さんに決めて欲しい。俺に、どうして、欲しいの?」
…恋心というには熱すぎる想いに、戸惑っているのは私だけではなかった…
「…抱いて、暖めて、ください。ずっと…」
もう、戻れない…戻れなくて、いい
先に動いたのはどちらか。
終わりと始まりを告げる幕は、二人と落ちた傘を静かに濡らし続けた。
              


              終

moka さん一周年おめでとうございます~!ヘタ蓮でお祝い申し上げます(笑)








スポンサーサイト

テーマ:二次創作小説 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2014/10/28(火) 17:19:12|
  2. 捧げもの
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<ベッドの思惑 | ホーム | 拍手お礼と色々と。>>

コメント

これは!

ありがとうございます!

どきどきが止まらないですー
どこがヘタ蓮さんなんですかっ!ど、どうしよう、セリフが、まわる!かっこよすぎるーどうしよう!
  1. 2014/10/28(火) 18:25:22 |
  2. URL |
  3. moka #-
  4. [ 編集 ]

Re: これは!

コメントありがとうございます!遅くなってごめんなさい~(´;ω;`)
あれ?ヘタ蓮じゃなかった?
拘りに気付いてくれるなんて、さすがmoka さん!一生ついていくわ~!
  1. 2014/11/13(木) 22:10:17 |
  2. URL |
  3. すながれけんじ #-
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://sunagarekenji.blog34.fc2.com/tb.php/354-01619ec2
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。