六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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犯罪者は南の島に逃げる

何処までも蒼い空に、それに繋がる蒼い海。出来れば引き出しに入っていたお洒落で可愛い水着なんか来ちゃってこの白い砂浜から走って飛び込んでしまいたい。
プライベートならば。
「いいよ?飛び込んで」
「お仕事で来てますから」
「…最上さんは本当に真面目だね。力を抜かないと俺みたいになるよ?」
社長の所有する別荘のプライベートビーチに設置されたデッキチェアに気だるそうに寝そべる先輩俳優は、ある日"ぷつん"と来たらしい。
ぷつんときたついでに一週間もの海外逃亡を企てその相棒に私を指命した。
「その間、何も食べずに寝てばかりいると思う。いや、絶対そうなるから」
断言された私は付いて行くしかない。
慌ててラブミー部の、敦賀さんの付き人として仕事を申請し正式に受理された。
あの時の椹さんの渋い顔が忘れられない。
「敦賀さん、何にぷつんと来ちゃったんですか?」
「ん…まぁ…色々あって…」
既にうたた寝を始めようとしている先輩からのまともな返事を諦めて目の前に広がるオーシャンビューへ視線を移す。
実際のところ、途方に暮れていた。
着いた別荘は塵一つ落ちてなくぴかぴかに磨きあげられていてクローゼットには一日三回着替えてもいい位服が入っていて冷蔵庫には滞在中買い物に出なくていい程食料が溢れかえっていて。
する事は食事の用意と簡単な家事しかなくかなり時間をもて余している。
考える事の無い思考はどうしてもこの海の底とか濃い緑の木々の影とか鮮やか過ぎる色とりどりの花の中とかに行ってしまい、この地ならば必ず居るに違いないその存在を探しに行きたくて腰が落ち着かない。
私はお仕事で!お仕事で来てるのよ!
「やっぱり、行こう」
眠っているとばかり思っていた先輩俳優がむくりと起きて、生欠伸をしながら直ぐそこにある別荘に戻り帰って来たかと思うと、何故か手には虫取網が。
「どちらに行かれるんですか?」
激しく似合わない姿に眉を寄せた私に、にっこり微笑み答える。
「見ての通り、日本にはいない生き物が居そうだから探して捕まえに行こうかと。例えば…そうだな、妖精?」
「なぁ!」
「アニメとかだと、ふよふよ飛んでるだけみたいだからこれでも充分いけるんじゃないかな?」
「ちょぉぉぉぉっと待って下さい~~!」
歩き出したシャツの裾を慌てて掴んだ拍子にバランスを崩し倒れ込み、巻き込まれた先輩俳優はしりもちを着いた。
「よ、妖精を大丈夫、いえ、腰は虫取網で痛いですか!?」
「最上さん落ち着いて」
頬に着いた砂を払ってもらいながら必死に深呼吸。
「妖精はお友達なんですよ!?決して虫取網で捕まえる存在ではありません!」
「そうなの?」
「そうです!向こうが気がついてお友達になってくれるまで見守るのみです!」
「ん~…じゃあ、海に入るか。上手く行けば人魚に会えるかも」
「虫取網を頭に被せて捕まえるとか言いませんよね!?」
「分からないなぁ」
「Just a moment please!直ぐ戻りますから!」
別荘に駆け込んでラブミー部ツナギを下着と共に脱ぎ捨て水着を着ける。ホットパンツを履いてパーカーを着ながら戻って来た私を見てからかうように笑った。
「仕事で来てるんじゃなかった?」
「付き人から見張り役にシフトチェンジです!」
「えー…」
不満の声を上げながら尚笑う先輩俳優が、違法ハンティングを楽しむ犯罪者に見える。そして私はきっと給料泥棒になる。

犯罪者は南の島に逃げる。

何処かで聞いた言葉を思い出しながら、逃がさない為に相棒の手を握った。




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テーマ:二次創作小説 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2014/10/19(日) 10:21:30|
  2. 短編小説
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