六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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言の葉の国 4

山の中と言ってもいいような場所にぽつんと建つ古い小さな、なのに妙に存在感がある黒々とした家を前にこちらの方が何か出そうだという言葉を飲み込む。
「と、とっても赴きのある家ですねっ」
「はっきり言っていいよ?曾祖父が建てた家だからね。やっぱり何処か別の」
「鬼が居ようが蛇が居ようが大丈夫です!お邪魔します!」
ぺこりと家に挨拶して入れば閉めきった雨戸のせいで暗く空気が冷たい。
がたがた音を立てて蓮がそれを開けると日差しと共に新鮮な空気が入り込んで、キョーコは思わず深呼吸した。
「椿の手入れした方がいいんだけど…」
「椿?」
蓮の呟きに視線の先、庭の鬱蒼と繁る木々の間をよく見ると緑を更に濃くしているのは青々と繁る椿の生け垣。その向こうは山に続くらしく名も分からない木々が更に生い茂っているようだ。
「時間が無いなら庭師さんにでも頼んだら…」
「変に弄られると困るから、他の人の手を入れたくないんだ」
あちこち覗き込んで掃除道具一式を探し出した蓮は箒をキョーコに差し出しながら予定を伝える。
「依頼者の所へは明日行くから、今日は取り敢えずここを住めるようにして。定期的に人が入っているからそんなに困る事はないと思うけど…電気ガス水道は通るようにしたから、後で食事を買いに行こう」
「はい。あ、お布団は」
「確かこっちの押し入れに」
「干さないと。食器は使う前に洗えばいいかな…ええと冷蔵庫と洗濯機使えるか確認して…買い物リスト作らないと…あ、お水少し出しておいた方がいいかも。水道どこかな?」
箒を受けとる事なくふらりと台所を探しに行くキョーコに苦笑して、使い慣れない箒を動かす。
「お米に塩、お酒を沢山、白い餅と海の魚、川の魚、季節の野菜…」
「後は?」
「鴨肉」
「鴨は今からは手に入らないかも。鶏でいいかな」
「仕方ないな」
「ある程度先に買っておくべきだった」
「そうですよ!」
台所から顔を出したキョーコは不満気だ。
「食材どころか鍋もろくに無いじゃないですか!夕飯どころか昼食の用意も出来ませんよ!?」
「ごめん。久し振りで何があるかよく分かってなくて…食事、作ってくれるの?」
「街から離れているのに食事の為にいちいち出てたら時間の無駄です!取り敢えず部屋の掃除だけでも終わらせて買い出しに行きましょう!私がしますから敦賀さんはお布団干して下さい!」
何か主導権握られてる?
蓮から箒を取り上げててきぱき掃き出したキョーコの気迫に押されながら雑巾を持ち。
「……!ね、最上さん」
「何ですか?」
「君が俺に掛けた言葉の力…解いてくれるかな?」
一体何の事かと見た蓮は、足の小指を押さえて踞っている。
" 足の小指をぶつけちゃうとか大事なスーツに染みを付けちゃうとか "
「…どうするんですか?」
「許す言葉を心底から言って貰えれば」
心底から。
「私が受けた仕打ちを考えると自信が無いんですが」
「申し訳ありませんでした」
そのままの姿勢でぺこりと頭を下げた蓮に思わず笑う。
「いいですよ。その分しっかり面倒みて下さい」
「…はい」
安堵の溜め息を付いた蓮が立ち上がり布団を干すために縁側を拭き始めた。




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テーマ:二次創作小説 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2014/09/14(日) 07:23:45|
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