六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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彼の責任

激しいブレーキ音を立てて自転車を止めると、一番邪魔にならない場所を瞬時に判断して置く。自転車置き場、なんて場所を悠長に探している余裕はない。
時間的にも、精神的にも。
予定より早い時間で移動しているターゲットは頭の中に入っているスケジュールではぎりぎりこのテレビ局にいる筈で。
警備員をどうにか納得させて入り込むと全力疾走で居るだろう場所へと向かう。
「流石だよな。一発OKなんて」
そんな事言われる人なんて、一人しかいない。
「今!何処に居るか知りませんか!?」
「え、ええ!?えーと?」
どうも情報は得られそうもない。
早々に見切りを付けると距離と時間を照らし合わせて慌ててTV局を出ると再び自転車にまたがる。
流石神の寵児。物事は彼の有利な方へと進んでいるらしい。
じゃかじゃかペダルを回し額の汗を腕で拭う。
眼鏡の人に電話をすれば早いのだけど。
自分の努力で手に入れなければ意味がないのだ。
「私生で見ちゃった!」
「えー!何処で!?」
「今!駐車場で!車から降りる所だった!」
やっと捕まえた!
へろへろになりながら入ったホテルの空調を気にする暇なくエレベーターのボタンを押す。
多分、最上階辺りにいる筈だ。
「…よし!」
狭い箱の中で束の間の休息を取り気合いを入れて。
「最上さん!?どうしたの!?」
「お、おはようございます…敦賀しゃん」
休息は充分ではなかったらしい。幸運にもインタビューを受ける為だろう部屋に入ろうとしたその人を捕まえる事は出来たが挨拶はちょっと間抜けな感じになり。
ふぅ、と息を吐いてにっこり笑う。
「では失礼します」
「ちょ、ちょっと待って!まさか挨拶する為だけに来たの!?」
荒い息。頬に流れる汗。足だってがくがくしているのに。
「そうですよ?」
それが何か?と首を傾げた自分を部屋に引っ張り込むと椅子に座らせて。
「どうした?何があった?」
スポーツ飲料を差し出す彼に
「何も?近くを通ったから挨拶しに来たんです」
なんて何処まで通用するか分からない苦しい言い訳をして。
本当は。
どうしてもどうしても、彼に会いたかった。
自分が不安になった時、何時も頼っていた小さな青い石の事なんてすっぱり忘れさせたその人にほんの少しだけでも責任を取ってもらう為に。
自分の行く先を示したその人に、どうしても自分の力で見付けて会いたかった。
はふんとスポーツ飲料を飲み干して
「ありがとうございました」
と立ち上がろうとしたが足が言うことを聞かない。ああ、あれだ、一回座っちゃうと動けなくなっちゃうってやつ。
「最上さん、この後の予定は?」
「も、もう、上がり、です。くっ!ふん!」
妙にスプリングの効いた椅子の上でもがく姿に何故だか嬉しそうに微笑んで。
「じゃあ待ってて。後少し仕事残っているけどずっと付いてきて。そして俺の部屋で話を聞かせて」
「話す事など「あるよね?」
きゅらり笑顔に最後の抵抗を試みる。
「自転車が」
「ああ、社さんが既に乗って事務所に帰っているよ。何時も車移動だから運動不足解消にちょうどいいって」
名前がっつり書いてあるから分かりやすいよね、って、ちょっと眼鏡の人!担当俳優ほったらかして何してるんですか!?仕事しましょうよ!
「信用があるから。でも一人じゃ心細いから最上さん側に居て」
なんて嘘をさも本当だよと言いたげに少しだけその頬を茶色の髪に擦り寄せて。
「いってきます」
「…いってらっしゃい」
お仕事は別の部屋らしい。今度は満足そうに微笑んで、絶対だよ、なんて言葉を残して出ていく姿を見送った後深く椅子に座り込む。

どうやら。
彼はちゃんと責任を取ってくれるらしい。









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テーマ:二次創作小説 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2014/07/21(月) 12:24:56|
  2. 短編小説
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