六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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願い事

部屋に散らばる五色の短冊。
ベランダには既に家主の手によって小さな笹が据え付けられている。
更に言えば凝り性で器用な家主の恋人の手によって作られた色とりどりの飾りが既に付けられていて、後は願いを書いた短冊を飾るだけの状態。
眉間に皺を寄せて考え込む蓮の、今書いたばかりの短冊にはキョーコの願いの"学業成就"の文字。
「絵馬じゃないんだから」
「敦賀さんに言われたくないです」
その前に蓮が書いた短冊には"世界征服"の文字。
「芸能界の覇者になるという心意気は立派ですが、願い事として書くのはどうかと」
「別に、そんなつもりで書いたんじゃ…」
今度の映画で青年将校役の蓮は、筆で手紙をかくシーンが有るのを知るやいなや書道家の元に駆け込み短い時間ではあるがその筆裁きを頭に叩き込み。
毛筆に慣れようと一式買い込んで帰った蓮を見て
「七夕だから練習がてら書きましょう」
と、やはり買い込んでいた短冊をキョーコは差し出した。
「ハンニャシンキョウ、だっけ?買ってくれば良かった」
「写経してどうするんですか?漢字ばかりですよ?」
「今だって変わらないじゃないか」
家内安全、交通安全、無病息災、念願成就。
「全部願い事だもん」
「そうだろうけど」
自分だって願い事は沢山有る。だがいざ書くとなると何を書けばいいのか分からないし、こんな小さな紙では書ききれない。
筆を取ったキョーコの手元を見ると彼女らしく丁寧な字で"敦賀さんがちゃんとご飯を食べますように"と書いていて苦笑した後、その横に書かれた文字に釘付けになった。
「名前…」
「だって沢山の願い事が一辺に来るんですよ?書かないと誰の願い事か分からないじゃないですか」
「そうか…そうだよね」
呟いた蓮がおもむろに筆を走らせ書いたのはたった六文字の、一番の願い事。
"敦賀キョーコ"
少し考え、その横に同じ大きさで"敦賀蓮"と書いてもう一枚短冊を取ると今度は英字で
"キョーコ・ヒズリ"
やはりその横におなじ大きさで"クオン・ヒズリ"としたためた。
「つつつ敦賀さん?そそそそれは?」
「願い事」
これだけ大きく書けば分かりやすいだろうと満足して顔を上げた蓮の前には今にも火を吹きそうなキョーコの顔。
「高い場所の方が願いが届きやすいんだっけ」
「だ…駄目ー!それは飾っちゃ駄目です!」
「…何で?」
不機嫌になった恋人に、視線を反らしあーうーと言葉を濁した後、ぽつりと呟く。
「…今晩、雨が降るって…降ったら折角書いてくれたその願い事、消えちゃうじゃないですか…」 
無表情になった蓮を、頬を染めたままのキョーコが上目遣いに願いを伝えた。
「…私の名前…貰って良いですか…?」

家主によって部屋の中に移された笹には五色の短冊が飾られている。
しかし二枚の願い事は鞄の中に大切に仕舞われていて。
彦星は雨音に消されぬよう、耳元で愛の言葉を囁きながらベットの中で織姫を抱いていた。







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テーマ:二次創作小説 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2014/07/07(月) 19:07:07|
  2. 短編小説
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