六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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STING!9

私にしてみれば長いようで短い一ヶ月。そのちょうど30日目、次の日は31日目もしくは二ヶ月目に入ろうとする日の夜。
「もう一緒に住む必要は無くなったから」
独り言のように"そういえば忘れてた"的な口調で言われてしまいうっかり聞き流す所だった。
「大将達には仕事の都合で暫く事務所の寮に入ると言ってあるから安心して帰ればいい」
「寮なんてあったんですか?」
聞きたいのはそこじゃない。
「あるよ。事務所に入った時貰ったパンフレットに書いてあっただろ?」
「…すみません、そこまで読んでいませんでした」
「この機会に寮に入るとか一人暮らしをするなら使える家具は持っていくといい。このままここに住みたいのなら、この一ヶ月の慰謝料として俺が責任持って払うから」
「敦賀さんもここに住まないという事ですか?」
「うん、渡米してあの姿で俳優としてチャレンジする事になったから。勿論敦賀蓮との関係は伏せてね。あ、これ凄く美味しい」
そんな大変な事を普通に食事しながら、まるで"明日からロケで暫く留守にします"っていうみたいに。
「敦賀蓮としての仕事はどうするんですか?」
「徐々に減らして最後は引退になると思う。中途半端は嫌だから。俺の目的はあの姿で役者として世界のトップに立つ事だから、まずはハリウッドに行かないとね」
「…と、いう事は」
食べ続ける敦賀さんとは反対に箸を置く。
「社長のお宅であの姿でいたのも夜遅くの電話も帰れない日があったのもその準備の為で、もう一緒に住まなくていいのはその目処がついたと。大きなお鍋がなくなったのは渡米に必要ないから処分してこの小さなテーブルも冷蔵庫が小さくなったのも私に譲りやすいように」
「そうだよ」
「…結婚の話は」
そう、それを聞かないと。
「最上さんの思い込みだよ。あの人はそんな事一言も言ってない」
敦賀さんが笑う。
「大体本当に監視するなら女性マネージャーを付けて、それこそ一緒に暮らして24時間監視だよ?最上さんが絶対秘密を守ると分かっている上でのお遊び発言だ。俺が実行すると思っていなくてびっくりしてた」
そう言われればそうだ。
「つまり私は敦賀さんに弄ばれていたと」
敦賀さんが箸を置く。
「俺が最上さんと少しでも一緒に居たくて勘違いを利用してこの部屋に無理矢理連れ込んだから、弄んだと言われればそうかもしれないね」
は?
「今何と仰いました?」
「最上さんが好きで愛してて離れてしまう前に少しでも一緒に居たくて無理矢理ここに連れ込んだ」
ちょっと待って。
私は天上人の敦賀さんと暮らすという異常事態にやっと慣れてきて、漸く思考回路が正常に回りだして自分の理解不能な行動とか得体のしれないモノについてゆっくり考えようとしていた所なのに。
私の勘違い?
一緒に住まなくてよかった?
結婚は嘘?
引退?
渡米?
離れる前に一緒に居たかった?
私を好きで無理矢理連れ込んだ?
というか
つるがさんがわたしをあいしてる?
久しぶりの高速回転で思考が悲鳴を上げている。でもだからといって止めてはいけない気がした。
「ありがとう、凄く楽しかったよ。で、いつ引っ越す?明日でも手配できるけど」
なんですかそれは。自分の気が済んだからはいさよならですかそうですか。
ぶつんと頭の中で何かが切れた。
「そうは問屋が卸しません!!」
「問屋が何を卸すの?」
「御自分で調べて下さい!いいですか?私はとぉーっても怒っています!」
「最上さんの気持ちはとぉーっても分かるよ」
「混ぜ返さないで下さい!敦賀さんはいつ引っ越すんですか!?」
「一週間後かな」
「ではこの一週間しっかり反省して頂けるようにじっくり復讐させて頂きます!覚えておいて下さい!まずは冷蔵庫の中のアイスクリームを食べてもらいます!抹茶ですよ?ストロベリーは私のですからね!食後の後片付けも一人してもらいます!残り物にはラップを掛けてちゃんと冷蔵庫にしまって下さい!」
この怒りが分かるように椅子がひっくり返ればいいと思いながら立ち上がりどすどす音を立てて自分の部屋に向かう。今までしたこと無いから上手く出来たか心配になって振り返ると此方を向くとは思っていなかったらしい力の抜けた敦賀さんがびしっと背筋を伸ばした。
「ガス台もピカピカに磨いて下さいね!」
了解、と敦賀さんが右手を挙げた。

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テーマ:二次創作小説 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2014/04/05(土) 10:58:50|
  2. STING! (完)
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