六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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STING!6

『今日は帰れないから。ちゃんとタクシーを使って帰るんだよ?』
よぉーーし!
携帯片手にガッツポーズをきめてしまった。
だって今日敦賀さん帰って来ないのよ?緊張しなくていいのよ?お風呂だって部屋のシャワーじゃなくてちゃんと湯船に浸かれるのよ?あれからたまにくる得体のしれないモノも今日は来ないのよ!
「分かりました。ご飯はちゃんと食べて下さいね?必ずタクシーを使って帰ります」
一度失敗すると駄目よキョーコ。この状況から脱出するには相手の信頼を得ないと。だから今日はちゃんとタクシーを使って敦賀さんの部屋に帰るの。ああお風呂に入浴剤入れよう。敦賀さんが食べないからってずっと我慢していたこってり甘いアイスクリームをお風呂上がりに食べるのもいいわ。だらっとテレビ見ながらなんて幸せよね。今日は一緒じゃないからあの妙にお高いセレブ専用じゃなくて庶民の私にお似合いの安くても新鮮な品物が揃っているお気に入りのスーパーに行こう。
「うふふっ」
軽くスキップしながら買い物してタクシーで帰って。
「あれ?」
洗濯機を回すところまでは良かった。
玄関に置かれたままの荷物に違和感を感じて、冷凍庫にアイスクリームを入れる時にそれはますます激しくなった。
「なんで二つ?」
まぁいいや入れておけばと放り込んで
「どうして?」
見事に二人分の食事を作ってしまった。
「…明日のお弁当のおかずにして残りは夜の足しにしよう」
なんというか、暖かくなくてすーすーする足元を無視して食事して。部屋の中は妙にがらんとして広くて、どうにかお風呂で湯船には浸かったけど薄ら寒いリビングには入る気になれずテレビもアイスクリームもなしで部屋にこもってしまった。いつもなら聞こえる声も、今日はない。
いやいやちょっと待って私。ショータローと一緒だった時はいつもこんな感じだったじゃない?何慣らされてるの?いくら敦賀さんが優しくって私が何をしても"ありがとう""ごめん"を言ってくれて心配もしてくれると言っても軟禁されているのよ?無理矢理結婚させられる一歩手前なのよ?いや敦賀さんなら例え無理矢理でも結婚したい方は沢山いらっしゃるだろうけど。私だってこんな状況からではなくちゃんとお付き…
「…って、うわーー!」
恐ろしい考えに至りそうになって叫び声を上げる。今私、何かにとり憑かれてた!?こういう時は精神集中、裁縫よ!
「うん確かに一緒に居れば役者とはこういう物だと勉強になるしごく稀に癒されるしごく稀に安心できるしごく稀に楽しいわよ?でも問題は私が敦賀さんの秘密を知ってしまったが為にこんな状況になってしまった事で。そして私がだるだるの情けなくって色気の欠片もない姿をいつか見せてしまってがっかりさせてしまうんじゃないかというのが問題で…って、きゃーっ!」
敦賀さん人形作ってた!!


「昨日は帰れなくてごめん。今日は大丈夫だから一緒に帰ろう」
にっこりと笑うこの先輩俳優のおかげで私は眠れなかったというのに。この笑顔が憎い。
「顔色が少し悪いね…体調が戻らない?」
「大丈夫ですよ!」
私の怒りを含んだ声に事もあろうか
「俺が帰らなかったから怒っているの?」
なんてふざけた事を言うからどかんと爆発した。
「今日はご飯作りません!」
昨日の残りとふりかけご飯特盛を並べ、敦賀さんが困った顔を見るだけでは飽きたらず食後のデザートとしてアイスクリームも出す。
「どちらにしますか!?」
「…シャーベットの方で」
その言葉に机の上を見る。…二つともアイスクリームのつもりでいた。
「リビングでゆっくりテレビでも見ながら食べようか」
「それならお風呂に入ってからの方がいいです」
固まる敦賀さんをバスルームに押し込んで、やっと怒りが半減させる。本当、馬鹿みたい。敦賀さんは秘密を知ってしまった私を苛めて楽しんでいるだけじゃないの!?そんな相手に気を使って緊張するなんて。どうせ結婚するんだもんね社長命令だもんね拒否権ないんだもんね。こんな疲れる日々はもう沢山、好きにさせて頂きます!
お風呂から出た敦賀さんと入れ替わりにゆっくり入ってパジャマ姿でリビングに入る。
「持って来ますね」
「…うん」
無表情でテレビに見入る敦賀さんにシャーベットを手渡す。指先に敦賀さんの手が当たって少しだけ背中に来た得体のしれないモノはアイスクリームの冷たさで誤魔化した。
「………………………はぁぁぁー…………」
敦賀さんの10年分じゃないかと思える程の溜め息は勿論聞こえないフリをして日本の厳しい縦社会を恨みながらアイスクリームを口に入れた。

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テーマ:二次創作小説 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2014/03/15(土) 11:23:27|
  2. STING! (完)
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