六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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STING!3

「何故そう無駄な事をするのかな?」
押し込まれた車の中で敦賀さんが心底不思議そうに言う。
「帰る場所は一緒なのに」
そう、あの後あれよあれよという間にだるまやから私の荷物は一切合財敦賀さんのマンションに運び込まれ、女将さんに"たまには遊びにおいで"なんて言われながら送り出されてしまった。あの気難しい大将も代理の人によろしくお願いしますと頭を下げたと聞いて、一体どう説明したのかと首どころか身体さえも傾げてしまう。
「…無駄かどうかは私が決める事です」
「そうだね。ま、最上さんと追いかけっこするのは楽しいからいいけど」
笑いながらの天然いじめっこ発言に小心者の私は心の中で楽しくないと反論す
る。マンションの駐車場にするりと車を停めた敦賀が降りて助手席のドアを開けた。
「奥様、着きましたよ」
「まだ奥様じゃありません!」
差し出された手を敢えて見ないようにしながらエレベーターホールへのドアに駆け寄ろうとして買い物した荷物が置きっぱなしだった事に気付いた。ぐるんと振り返ると敦賀さんが持って歩いて来るところで。
「ワタクシが!ワタクシが持たせて頂きます!」
「いいよ結構重いし。荷物持ちは夫の仕事だからね」
ぎゃー!!
「やはりワタクシが持たせて頂きます~!」
「って、危ない!」
奪い取った途端遠心力が働いて体制を崩した私を敦賀さんの腕が腰を掴んで支える。近い近い近い~!
「最上さんは何でも勢いをつけ過ぎなんだよ、本当に危ないんだから…ほら荷物貸して」
「い、嫌です!そうほら二の腕!この弛んだ二の腕を引き締める為には重い荷物を持ちましてね、こう動かすと効果が!」
ばびゅんと距離をおき荷物をがっさがっさと高速上下させる。そのままホールを抜けエレベーターに乗り敦賀さんが部屋のドアに着く頃にはすっかり腕が疲れてしまった。
「…ただいま」
「お帰り。だから勢いをつけ過ぎだって」
二人並んで手洗いうがいをして私は洗濯機の前へ、敦賀さんは買い物した荷物を仕舞いにキッチンへ。ぐるんと洗濯物が回るのを確認してキッチンに行き敦賀さんと食事の用意。
家賃を払う代わりに家事をすると言ったのは私。だって例え半分でも到底払える金額ではなかったから。でも拉致"軟禁"されている現実を受け入れたくなくて、ささやかな抵抗のつもりで何もしなくていいと言う敦賀さんを押し切った。お手伝いもお断りしたかったけど「お互い外で仕事しているんだから家の中の事を分担するのは当然の事だろ」とちょっとお怒りモードで言われてしまい怖くなってお願いしますと速攻平土下座した。で、この調子。
「出来ましたよ」
「ありがとう。いただきます」
そして広いキッチンにちょこんと置かれた小さなテーブルで「二人で食べると美味しい料理が更に美味しくなるね」なんて言葉をさらりと言われながら食事をする。
本当は色々聞きたい。上の収納に仕舞われていた一人暮らしには無駄に大きい鍋の行方とか、それこそ無駄に大きかったお酒とお水とナントカゼリーしか入ってなかった冷蔵庫が妙に小さくなった事とか。
しかし一番初めにこのキッチンに、そして敦賀さんの身体に合わない小さなテーブルについて聞いた時この先輩俳優はにっこりと微笑んで
「新婚の内は膝が触れ合う距離で居たいのは当然の事だろ?家族が増えたら大きいのに買い替えたらいいじゃないか」
などと恐ろしい言葉を吐き出し私はもう余計な事は聞くまいと心に誓った。
本当に時々触れてしまう膝に居心地の悪い思いをしながら食事を終わらせ二人で片付けをして敦賀さんがお風呂に入っている間に洗濯物干して。
「おやすみなさい」
「おやすみ。お疲れ様」
こんな状況でも敦賀さんは偉大な先輩でやっぱり信仰してて人間として…最近はどうかと思うけど…尊敬している。緊張で疲れ切った身体を引きずって自分の部屋に行き鍵を掛けて、やっと一息つく。
シャワー室付きの部屋で良かった。男の人、特に敦賀さんの前でパジャマ姿にならない事に安心する。いや敦賀さんは私みたいな貧相で色気のないオマケに社長命令で監視する為に一緒にいる女なんて意地悪でも相手にしない事は分かっているけど私の気持ちの問題。
「…敦賀さんは疲れないのかな?」
ドアの向こう、リビングでは敦賀さんが今夜も誰かと電話しているらしくぼそぼそと話し声が聞こえる。もしかしたら社長に報告しているのかもしれない。今日も無事に任務完了です、とか。
その声を聞きながら私は眠りに付く。

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テーマ:二次創作小説 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2014/02/22(土) 08:12:47|
  2. STING! (完)
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