六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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ハートの国のアリス

街がハートで溢れている。右を見ても左を見てもハートハートハート。
「う…うきゃーー!」
思わず髪をかきむしり、キョーコは全速力でハートの世界を駆け抜ける。
バレンタインデーなんて、無くなっちゃえばいいんだ!
以前のように恋とか愛とかを否定している訳ではない。現に今自分には恋人がいるのだから。問題はその恋人が人気俳優と言われる人でそのセレブなイメージから…実際セレブなんだけど高級品なんて言われるプレゼントをこの時期山のように貰っちゃって、おまけに食欲というものが幻の存在のような人なのだ。
以前なら思い付いたかもしれない。でも恋人となったら変な意識が働いて、気に入れば金額なんて気にしない人だと分かっていても何を贈ったらいいのか全く分からなくなってしまった。だから完全な八つ当たり。
「お願い、時間よ止まって!エコエコアザラクエコエコザメラク!」
勿論そんな呪文は通じない。もうこのままどんな苦難が待ち受けようとも幸せをもたらすと言われてる何処かでひっそり咲いてる七色の花を探しに行った方が早いかもしれない。恋人を幸せにしてくれるし時間も稼げるし。うんもうそうしよう。ああでも結局その花は直ぐ側にあったんだっけ。
あさっての方向に現実逃避するキョーコを置いて、時間は街中のハートを乗せてどんどん先を行く。


「そんなに気にする事ないのに」
見るからに思い悩んでいる恋人からその原因を無理矢理聞き出した蓮は笑った。
「最上さんからの贈り物なら何だって嬉しいし大切にするし、美味しく頂くよ?」
「…でも敦賀さん何でも持ってるし、甘い物苦手だし」
「じゃあ」
あのワインゼリーを作って、と言いかけて口をつぐむ。
あのワインゼリーにはお互い苦いのか甘酸っぱいのか分からない思い出がある。
「…最上さんしか贈れない物があるんだけど、それを貰える?」
「私しか、ですか?」
「そう、最上さんだけ。バレンタインも誕生日もクリスマスもそれでいいから」
先ずは逃げ出さないようにとその身体を捕まえてにっこりと微笑む。
「何ですか?それは」
「最上さんからのキス」
「き……………………………………!!」
「そう。俺の一番大切な最上さんからだけ貰える、一番美味しくて、一番嬉しいモノ」
冗談のつもり、だった。
何を選ぶにしてもこう言っておけば踏ん切りがつくかもしれないし、歩く純情さんと蓮が名付けた彼女が自分から出来るとは思えない。現に今、顔色をくるくる変えながら出ない言葉を出そうと必死で口を動かしてさいる。
だけど。もし、貰えるなら。
想像しただけで顔が赤くなるほど嬉しくて
「…幸せ、だ」
思わず出した言葉に恋人の身体が硬直して、次の瞬間へなへなと崩れ落ちる。
「も、最上さん!?」
「…やっぱり、直ぐ側に有っちゃったりするのね…」
「え?」
涙目の恋人が決心したように蓮を睨み付ける。
「七色の花です!最上キョーコ、苦難の道を歩んで敦賀さんに贈らせて頂きます!」
「はい?」

年に一度この日だけ、ハートの国には七色の花を持ったアリスと彼女を待つライオンが迷い込んでいる。


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テーマ:二次創作小説 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2014/02/14(金) 00:00:00|
  2. 短編小説
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