六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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クロスワールド10

「ここに住んでいるの?」
キョーコのアパートの前。呆然とする蓮に答える。
「そうですよ。確かに凄く古くて小さいですが日当たりは完璧です」
「いや、古いとか小さいとかではなくて…」
あのアパートだ。俺が逃げ込んだ、小さな箱。
「送って頂きありがとうございました」
「あ、最上さん」
階段を上がろうとしたキョーコを呼び止める。
「…君には、頼れる人がいる?」
蓮の問いに少し笑って。
「…おやすみなさい」

いないのか?信頼して頼る人が。弱い君を受け入れてくれる人が。

二階の窓の一つに明かりが点いて、レースのカーテンにキョーコの小さな影が映る。
頼り無げにゆらゆらと揺れたそれは、暫くして闇の中に消えた。


「クオン君!!」
現れた彼女は半泣きで。
「おかえり」
手に持っているのは、あの頃読んでた本だ。
「よかった…いつものクオン君で…」
「どうした?」
「…」
「キョーコ?」
本を伏せて立ち竦む彼女に近づく。
「何かあった?」
「…なにも」
「じゃあ何でそんな泣きそうな顔してる?」
答えない彼女の身体を抱き締めて。
「キョーコは俺に立ち向かう勇気と自信をくれたんだ…だから俺も、キョーコの力になりたい」
「うん…」
「つらい時は俺を頼って?何も出来ないかもしれないけど」
「…うん」
彼女の腕が自分の背中を抱こうとして。そのまま胸に手を付き、ゆっくりと距離を取る。
「私には、今の言葉だけで充分だから…」
嘘だ。君はきっと、寂しくて悲しくて泣いている

夢の中の自分と今の自分が急速にリンクしていく。今までの夢の記憶も、気持ちも、全て波のように押し寄せて今の自分を包み込んでいく。

時計は5時半を指していた。


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  1. 2013/12/28(土) 07:53:31|
  2. クロスワールド (完)
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