六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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クロスワールド9

あの暗い幻からまたクオンに会えない。気になって仕事も上の空で失敗ばかりしているキョーコはその日早々にバーから帰る事になってしまった。
金曜日の夜のせいか飲食店が建ち並ぶこの界隈に人が多い。
みんな幸せそうな顔しているのに寂しくなり下を向いた時。
どん、と人にぶつかった衝撃。
「!すみません!!」
「いえこちらこそ…」
聞き覚えのあるテノールの声。
「「あ…」」
敦賀さん。
「偶然にしては、よく会うね。今から店に行こうと思ってたんだけど、今日はもう帰り?」
「はい、お一人なんですか?」
「社さんはまだ仕事中。この前は結局行けなかったから、行くと知って悔しがってたよ」
「嬉しいです。ぜひご来店下さいとお伝え下さい」
頭を下げて、立ち去ろうとして。
「あ、君」
「はい?」
「こんな夜中に申し訳無いんだけど…ちょっと、付き合ってくれるかな?」
「私、未成年ですよ?」
「いやお酒じゃなくて…話がしたいんだ」


てっきり近くの喫茶店とかで話すんだと思い首を縦に振ったらタクシーに乗せられ、着いた場所は敦賀蓮の部屋。誘われた時の雰囲気が膝を抱えたクオンと似ていて帰るとは言えなかった。
「ゆっくり話せる場所がここしか思いつかなくて…」
コーヒーを出しながら申し訳なさそうに言う蓮に、バレちゃったら大変な事になりますもんね、と真剣に頷く。
「私は構わないのですが、お疲れの所をお邪魔したのでは無いのかと」
問題はそこじゃない、と言いたいが…誘った本人が言えるはずもない。
「で、お話って何ですか?」
「…ごめん、特に何話すわけでは無いんだけど…ええと」
「あ、自己紹介まだでしたね。最上キョーコです、よろしくお願いします」

キョーコ…

「敦賀蓮です。ご存知のようで光栄です。こちらこそよろしくお願いします」
お互い下げた頭を上げた所で目が合い、笑い合う。
「で…最上さんが、知り合いに似てるんだ…その人と話をしたいのになかなか会えなくて。それでつい声を掛けてしまって」
我ながら怪しい話だと思う。
「そうなんですか?お忙しそうですもんね…私で良ければ何時でもお付き合いしますよ?仕事があるのでこんな時間になっちゃいますが」
だから夜中に男と二人きりで、それも部屋に来る事に抵抗が無いのか?この子は自分を女の子と思って無いのだろうか?…それとも俺を男と思って無いのか
「…」
同じ事を考えた覚えがある。あれは…
「どうされました?」
「いや、特別知り合いでもないのに誘って悪かったなと…俺どうかしてるね」
「そうですね。弱っているんじゃないですか?」
「…」
この切り返し方にも覚えがある
「でも、自分が弱っている時に人に頼れるのは良い事ですよ?」
「そう?男が誰かに頼るなんて格好悪くない?」
「男も女も関係ないです。人間生きてれば色々ありますよ。それに頼れる人がいるって事は敦賀さんが、その人がどんな自分も受け入れてくれるって信じているからで、その人も敦賀さんが心配で大切にしてるから出来る事です。そういう人がいるって事は幸せな事です」
「そうかな?」
「そうですよ。敦賀さんもその人を大切にして下さい」
「…そうだね…そうするよ」
真剣に自分の話を聞く蓮に、はっとする。
「って、若輩者の私が年上の敦賀さんに説教じみた事言ってごめんなさい!」
「いや、いいんだよ…ありがとう」
あ、いまの笑顔。やっぱり敦賀さんクオン君によく似てる…
クオン君!!
「い、今何時ですか?」
「ん?12時を少し回った所」
「私、帰らないと電車が…」
「送ってくよ。誘ったのは俺だし…あ、早く帰らないと家族の人が心配するね」
「いえその点は大丈夫なんですが、待ちたい人がいまして」
「待ちたい人?夜中に、女の子の部屋に、突然、来る人が、いるの?」
「はい。2時に来るというか、現れると言うか…」
あ、あれ?何か、部屋の空気が冷たくなった?
「…彼氏?」
「いえ男の…人…ではありますが、彼氏ではなく…あの…それが何か…」
「もしかして、前の酔っ払い?」
何で敦賀さんいきなり機嫌が悪いの?内心首を傾げるのは蓮も一緒。
俺は何でそういう男がいる事に怒りを覚えるんだ?初対面に近いのに。彼女の年なら直ぐ親しい男が出来ても不思議じゃない。
「いえいえいえいえ!アイツとはキレイサッパリスッパリ別れましたから!」
自分の気持ちに不安を覚えながらも立ち上がる。
「…女の子をあまり男の部屋に引き止めておくのも良くないね。今から送るよ」


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  1. 2013/12/28(土) 07:24:33|
  2. クロスワールド (完)
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