六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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星降る夜に約束を

「敦賀さん、ここです」
風の無い日で良かったと心底思う。
しっかり防寒対策してきたとはいえ風があれば早々に中に入り、二人きりの時間なんて取れなかっただろうから。
「ごめん、待たせた?」
「いいえ。私も今来たところです。敦賀さん寒くないですか?」
「これ位なら、まだ大丈夫」
蓮の為に熱いコーヒーを作り手渡して。
「サンドイッチもありますよ?」
「貰おうかな」
事務所の屋上。大きめのフリースの中寄り添った蓮の身体から暖かい空気が流れてきて、緩む顔を隠そうと空を仰ぐ。
「今はどんな星座が見れるのかしら?」
「有名な所だとオリオンの他にふたご座、かに座、しし座かな?」
「夏の星座が見れるんですか?」
「生まれ月の星座はただ単に黄道…太陽の巡る軌跡を12分にして決めただけで、見える見えないは関係ないよ」
「そうなんだ…」
蓮が星の無い空を指差す。
あの辺りにに北極星。
引っ張られてしっぽの伸びた小熊座。
その母親の大熊座。
ふたご座のポルックスは弟。
リゲルはオリオン座の星…
ふとキョーコの顔を見た蓮が、心配そうな顔をする。
「寒い?」
「…少し」
大丈夫よ、なんて微笑んでみたいけど。嘘や隠し事が嫌いな恋人には素直に返事するしかない。
蓮が身体を動かして後ろに回ると、その長い足の間にすっぽりとキョーコを入れた。
「これで、大丈夫?」
ぎゅっと抱きしめる。
「つつつ敦賀さん!誰かに見られたら…」
「二人きりになれるからと、ここを選んだのは最上さんなのに?」
耳に掛かる吐息がくすぐったい。
「じゃあ、始めよう?」
蓮が持ってきた紙袋から小さな箱を取り出す。
中にはケーキ。
ろうそくを三本立てて火をつけて。
時計を見ていた蓮がキョーコの顔に視線を移す。
「お誕生日、おめでとう」
「ありがとうございます」
今年はどうしても時間が取れなくて。同じ空間に居るのに会えないのがもどかしいキョーコと、どうしても一緒に25日を迎えたかった蓮の、ささやかなバースデーパーティー。
「プレゼントは部屋に用意してある。仕事が終わったら真っ直ぐ、俺の所へ帰って来て?」
声が甘さを含んでいて、キョーコの顔が赤くなる。
「…遅くなっちゃいますよ」
「そんな事、もう気にする必要ないのに」
ケーキを食べながら、もう一度空を仰ぐ。
「せっかく教えて貰ったのに、もう分からなくなっちゃた。来年また教えて貰えますか?」
「来年と言わず明日も、明後日も、10年後も、100年後も」
「お願いします」
100年後。
キョーコは思う。
今の星は無いかもしれない。
だけど。

自分はきっと、見えない星達を差す蓮の隣にいるのだろうと。
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  1. 2013/12/25(水) 00:00:00|
  2. 短編小説
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