六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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クロスワールド5

枕元に座ってキョーコの寝顔を見る。
「よく寝てるな…当たり前か」
一日中働いた後、30分だけとは言え深夜自分に付き合ってくれるのだ。大変だろうと思うけどお互い突然現れるのだからどうしようもない。
キョーコが言うには目が覚めた時知らないベッドに寝ているのだけは嫌だと、どうしても寝たい時はわざわざ床に布団を引いているらしいが…自分にしてみればそれこそ突然パジャマ姿で無防備に床で寝ているキョーコが現れるのだから心臓に悪い事この上ない。"向こう側"が寒い季節でよかった。
「俺、一応男なんだけど」
年下で幽霊…なんだから気にしてないのだろうと思うのだが。なんか、おもしろくない。
閉ざした世界にいきなり入って来て戸惑い怒り説教して。切り返しは厳しいが励ましてくれて、見ず知らずの人間…幽霊の希望通り側にいてくれる。そしてついさっき…キョーコにしてみれば何日か前。クオンは現れた彼女に嫌みのつもりで言ったのだ。
「おかえり」
驚いたキョーコがみるみる頬を染めて笑顔になって。
「ただいま」
久しぶりに聞いた言葉にテレちゃった、と頭をかいて。
初めて見た笑顔にうかつにも、本当にうかつにも思ってしまった。

かわいい。

付き合ってた女の子なんて両手で数えきれない程いたのに。初めて、心の底からかわいいと思った。
「うん、トクシュな状況から起こる気の迷いだ…たぶん」
自分に言い聞かせたその時。
「…くん」
くん?俺の夢見てる?いやもしかして、キョーコの世界に、夢に見るような男がいるのか?…本当に、おもしろくない。
「い!?」
バチンとデコピンをされたキョーコが飛び起きる。
「…ったぁ!何するのよ!!」
「別に。人が真剣に悩んでいるのによだれ垂らして寝てるのが気に入らなかっただけ」
「…!ご、ごめんなさい…」
怒ると思ったキョーコが落ち込む様子に慌てる。本当に、何故この人は俺に…他人に一生懸命なんだろう?
「いっ、いや別に!八つ当たりしただけで…ごめん、痛かった?」
手を伸ばして、キョーコの額に触る。
初めて触れた彼女の肌は暖かくて…幽霊でも体温を感じるんだ、とぼんやり思う。
「確かに痛かったけど…困っている人の目の前で平気で寝ていられる自分が情けないです…」
「いや俺幽霊なんだけど」
「幽霊でも人だし困っている事には変わりません!」
ボロボロ泣き出したキョーコの身体が夕日に溶けていく。
「待って…!」
クオンの手が空を泳いだ。
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  1. 2013/12/21(土) 06:53:46|
  2. クロスワールド (完)
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