六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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クロスワールド3

クオン君に会えない。
時間になってもあの幻が現れない。
1日2日、間が開く時はあったけどもう一週間以上。
クオンの表情が気になって起きて待っているのに。
「キョーコちゃん、今から貸切だから閉店の看板出しといて」
「あ、はい!」
アルバイト先の一つ、マスターが奥さんと2人で切り盛りする小さなバー。半地下にあり目立たないが落ち着いた雰囲気とお酒の種類の多さで隠れた名店として利用する客が多い。
ドアにcloseのプレートをかけようと外に出たキョーコは腕を引っ張られ叫び声を上げそうになった。
「!!ショータロー!」
「久しぶりだな。引っ越しちまったから探すのに苦労したぜ」
「探してもらわなくて結構よ」
大声で怒鳴りたい。でも店の前ではマスターに迷惑が掛かる。結果、道路からは見えにくく店内からも見えないドアの前で小声で話すしかない。
「お前、ちょっと見ない内に見れるようになったな」
「あんたは全然変わんないわね」
お店の雰囲気に合わせて髪を整えうっすら化粧をしているだけなのに。この男、本当に女の子を上辺しか見てない。それでもルックスがいいから女の子が寄って来て、私は捨てられたんだ。コイツに私は尽くしに尽くして、働いたお金も全てつぎ込んだのに。
「な、俺今フリーなんだよ。お前んトコに帰ってやってもイイぜ」
「女の子に愛想つかれて追い出されて宿無しになったって事でしょ?相変わらずヒモ生活ね」
「違う!やっと夢が叶う一歩手前まで来てんだ!身辺キレーにしたんだよ!」
「へー、歌手になりたかったんだっけ?で、その夢とやらが叶ったらまた私を捨てるんでしょ?お断りよ、ひっかき回されるのはもう沢山」
「ごちゃごちゃウルセーな、いいから家の場所教えてカギ出せ」
「いーやーでーすー!」
カツン、と階段を下りる音に二人同時に顔を上げると、長身の男が立っていた。
「…上品で静かな店って聞いたんだけど、何?酔っ払て店の女の子に絡むような客が来る店なのか?」
ぎゃー!私のせいで店の評判が落ちるのだけは勘弁して下さい!「いえコイ…この人はたまたま偶然いきなりやって来た客で当店とは縁もゆかりも御座いません!」
「ふーん…今日は休み?予約取ってるって聞いたけど」
「あ、ご予約のお客様ですか?お見苦しい所をお見せして申し訳ありません。どうぞお入り下さい」
ぺこりと頭を下げてドアを開ける。近付いてくる人をチラリと見るとかなり大きい。暗いし帽子をかぶっているから顔はよくわからないけど、凄くいい声してる。
重いドアが軽くなって、あれ?と顔を上げると、男はドアに手を突いていた。
「先に入ってくれる?なるべく目立たない席に案内して欲しいんだけど」
「あ、はい、かしこまりました」
「って、おい!」
まさか、ホンモンか?と呟いていたショータローが気を取り直したらしい。腕の下をくぐって中に入ろうとしたキョーコの腕を掴む。
「社さん」
「はい君、お店にも周りの人にも迷惑だから退場ね」
いつの間にかもう一人男がいて、後ろからショータローの肩をがっしりと掴むと有無を言わさず連れ去っていった。


「助けて頂きありがとうございます」
席に案内しお絞りを出した後キョーコは男にお礼を言う。
「助けたつもりはないけど?」
「でも、先にお店に入れる事でショータ…あの酔っ払いから引き離して下さったんですよね?お連れの方にもお礼を言いたいのですが…戻ってみえます?」
「帰る時には店の前にいると思うけど」
「お友達じゃないんですか?」
「マネージャーだよ」
帽子を脱いだその顔は
「あ…」
「敦賀くーん!珍しく早いねぇ!?」
やって来た団体客に慌ててキョーコは人気俳優"敦賀蓮"に頭を下げ、仕事に戻った。

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  1. 2013/12/14(土) 08:11:12|
  2. クロスワールド (完)
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