六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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クロスワールド1

部屋が夕日に染まっている。掃き出しの窓の前にうずくまる、白のシャツにジーンズを履いた金髪の男の子。

瞬きの間にその光景は消え部屋の中は深夜に相応しい暗さ。
…今のは、何?
キョーコは目をこすり、もう一度部屋の中を凝視する。
やはり何時もの帰宅時間に相応しい暗い部屋で勿論、人の気配なんて無い。
あってはいけないのだ。一人暮らしなのだから。
「…疲れてるのかしら」
確かにくたくたに疲れている。1日に2つ、一週間に3つのアルバイトをこなしているのだから。特に今日は忙しく時間は既に深夜2時半。
うん、疲れているんだ。
シャワーは明日の朝にして、もう寝てしまおう。
ベッドに入るとあっという間に夢の中に入って行った。


またあの幻だ。
時間は深夜2時。アパートのドアを開けると夕日の中うずくまる金髪の少年。
私、よっぽど疲れているのかしら?こんな幻を見るほど。
自分をこんな状態にした諸悪の根源を思い出し、ぎゅうと眉間に皺を寄せる。
前回一瞬で消えた幻は何度目を瞑ろうが消えず、自分の精神状態に不安を感じたが、だからと言ってこのままではいけない。消えるきっかけは何か無いのかと考えて、思い切って声を掛けてみる。
「貴方、誰?」目の前の彼が、顔を上げ此方を見た。
「…きみ、誰?」
幻聴まで聞こえた!ますます自分が心配になる。
「ここ、俺の部屋なんだけど」
「聞いてるのはこちらです。それにここは私の部屋。お家賃もちゃんと払って住んでます」
幻に答えるのもどうかと思うけど、ここで挫けたらもう現実には戻って来れないような気がした。
「俺も自分の金じゃないけど、ちゃんと払ってる」
「私は自分で払っています。だから、立場的には私の方が上です」
自分でもどう立場が上なのかいまいち分からないが、負けるわけにはいかないと強気に出る。
「先に住んで居るのは俺だ」
「いいえ、私が先です」
「「…」」
先に目をそらした方が負けとばかりにお互い睨み合う。
「…貴方、名前は?」
「クオン…」
ゆらりと景色が歪み、夕日に染まる部屋もクオンと名乗った少年も闇に溶けて消えていく。
時間にして30分。たかが30分されど30分。
自分の貴重な時間を訳の判らない幻影に振り回されるのはまっぴらだ。
「…絶対、負けないんだから」

思い切って1日仕事を休み、ストレス解消を図ったのに…
再び深夜2時。眩しさで目が覚めると其処には睨み付けるクオン少年。
がっくりと枕に顔を埋めて落ち込むキョーコに、クオンはあれ?と不思議そうに聞く。
「俺達、今まで睨み合ってたよな?なんで君はいきなり俺のベッドにいるんだ?」
「私のベッドです!」
「いやよく見て」
しぶしぶ身体を起こして見渡す。
枕、お布団、シーツの色…
「!!?何で!?」
確かに自分のベッドに寝てたはずなのに!
あわあわと慌てふためくキョーコに、幻は落ち着いて、と声を掛ける。
ああ、私、もう駄目…幻にまで心配された…
「ちょ、大丈夫?ええっと…ミス?」
「…キョーコよ…」
落ちていく意識の中、名前を言うのが精一杯だった。


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  1. 2013/12/13(金) 21:06:31|
  2. クロスワールド (完)
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