六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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幼なじみ 10

雨が降ってきた。

アパートに入る前に蓮ちゃんちの窓に明かりが点いてるか確認する。
真っ暗だから、夕食を買いにいったのかもしれない。
あれからお裾分けもしてないから全然会わない。ちゃんと食べてるのかな?
そう言えば蓮ちゃん、傘持ってるのかな?最近寒くなってきたから、濡れて帰ってきたらお風呂に入って体暖めた方がいいんだけど。
自分の家の小さなお風呂を思い出して、そこに大きな蓮ちゃんが体を縮めて入るのを想像してちょっと笑う。同じ作りだから、そうなるよね。

ポケットから石を取り出してかざす。

いつもは明るい色も夜の闇のせいで暗い。当たり前の事だけど今はそれが寂しい。

"俺に大切な人が出来たら…"

野球してた頃の、蓮ちゃんが浮かぶ。
遊び呆けてるショーちゃんと違って練習熱心で、私のピッチャー練習にもずっと付き合ってくれた。練習では上手く投げれても試合になるとガチガチになってしまう私の緊張をほぐすのも蓮ちゃんで、肩や肘が痛くなったのを一番に気付くのも蓮ちゃん。ちゃんと球数も数えてくれてて、私の負担を少しでも減らそうと考えてくれて。そんな蓮ちゃんが居るから、いつか必ず帰ってくるからってずっと考えてた。
ずっと側に居てくれるって思ってた。
だけど違うって言われて気付いた。
私達は兄弟じゃない。同じ時間を他の人より少し多く共有しただけの他人なんだ。いつか、蓮ちゃんの隣に私の知らない女の人が立ってアメリカよりも遠い所に行ってしまうんだ。

私は、ずっと、隣に蓮ちゃんがいると思っていたのに。
「…蓮ちゃんのバカ」
「まだその石持ってたのかよ」
いつの間にかショーちゃんが後ろにいて、私の手から石を取り上げてまじまじと見る。
「返してよ」
ショーちゃんから、ほんのり香水の匂い。女の子と一緒に居たんだ。ショーちゃんの隣に違う女の子が居るのは想像出来るのに、何で蓮ちゃんの隣にいる人は想像出来ないんだろう。
「こんな石持ってるのが悪いんじゃねーか?」
「どういう意味よ」
「蓮にこだわっている事だよ」
そういうと、闇の中に投げ捨ててしまった。
「な!何するのよ!!」
「今朝、聞いたんだけどよ、蓮の奴アパート引き上げる為に帰って来たらしいぜ」
一瞬、目の前が真っ暗になる。
「…うそ」
「おかしいじゃねーか。生活用品揃える訳でもねーし高校だって何時まで経ってもいかねーし。大体蓮にこっちに居るって聞いてんのか?」
聞いてない。私は戻って来たとばかり…
「蓮のヤローがいたら邪魔ばっかりして進まねーからな。アイツが帰ったらゆっくり話してやるよ」
ショーちゃんの笑う声が遠くに聞こえた。

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  1. 2013/12/01(日) 09:46:43|
  2. 幼なじみ (完)
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