六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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幼なじみ 7

学校の荷物も有るのにこの量は無謀だった。
手が痛くなってきたから持ち直そうとちょっと前屈みになった時、いきなり荷物が軽くなる。「凄い荷物だね?持つよ」
持ち手に掛かる大きな手の主は蓮ちゃん。
「え、あ、その、大丈夫!…デス」
あれだけ反省したのにまた敬語ですよ私!
「どう見ても大丈夫じゃないよ。凄い量だね…食材?」
「と、特売だった…からデス」
お母さん一人のお給料では生活がちょっと苦しい。だから特売日に買い溜めして冷凍したりして遣り繰りしてる。
「そうなんだ」
大きな重い袋を三つとも軽々と持ち上げてゆっくり歩き出す蓮ちゃんの後を慌てて追いかける。
「ごめん、歩くの早かった?」
「ううん。私の足が短いせい…デス」
「短いって事は無いと思うけど」
「でないと追い付けない理由が分からない…デス」
「なにそのデスって」
蓮ちゃんが笑う。怒ってはいない…みたい。
ちょっと安心して改めて蓮ちゃんを見ると、小さなビニール袋にコンビニの名前。
「お買い物…デスカ?」
「ああ、夕御飯」
「夕御飯にしては小さい…デス」
「あまりお腹空いてないから」
「え?体調悪いの!?」
蓮ちゃん一人なのに、病気になったら大変じゃない!?
「悪い訳ではなくて、元々あんまり食べない方」
「そうだっけ?」
昔何度も一緒に食事したはずなのに、残念ながら蓮ちゃんがどれだけ食べてたか覚えていない。
「…じゃあ何でそんなに大きくなったの?」
「何でって言われても…遺伝?」
確かにおじさんは大きかった。でも
「ちゃんと食べないと、本当に体壊しちゃうよ?」
「うち今冷蔵庫はあるけどガスコンロもレンジも無いし」
そっか、戻って来たばかりだもんね。
「じゃあ、揃うまでご飯食べに来れば?あ、アルバイトが遅くなる日は待っててもらわなきゃいけないけど」
「キョーコちゃんが作ってるの?」
「うん」
ここで初めて、変わってしまった家庭事情と辞めてしまったクラブの話をした。
蓮ちゃんはちょっと淋しそうな顔でそうか、とだけ言って。
「キョーコちゃんの手料理は食べたいけど、やっぱり女の子一人の家には行けないな」
「…お隣の、幼なじみの家なのに。蓮ちゃんだったらお母さん気にしないよ?」
「だからね、キョーコちゃん…」
困り顔の蓮ちゃんに慌てて言う。ちゃんと分かってるよ?
「周りの目が気になるんだよね?じゃあ届けに行く。今日、今から。だから待ってて?」
苦笑いの蓮ちゃんが、理由は他にもあるんだけどね、と呟く。引っ越して来たばかりで部屋が散らかっているのかも。
「分かった、待ってるよ」
決まった場所は玄関の前。
「あ、キョーコちゃん」
鍵を開けて家に入ろうとした私に蓮ちゃんが声をかける。
「敬語、無くなって嬉しいよ」
極上の笑顔で蓮ちゃんは家の中へ消えて行った。
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  1. 2013/11/30(土) 11:28:12|
  2. 幼なじみ (完)
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