六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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ある日の話。1

自分でもバカだとは思う。

肉の部分が多くて筋とは言い難い牛すじを下茹でしている鍋を睨みながら考えた。

いくら私が今日早く帰れるし敦賀さんも早く帰れるって言ってたから今日は久しぶりにおでんにしよう大将に教えてもらった秘伝の煮汁で牛すじも大根もとろとろに煮込んで玉子にもしっかり味も染み込ませてタコや里芋蒟蒻も沢山いれようお酒は日本酒が合うよね敦賀さん辛口がいいよねでもやっぱりビールがいいのかななんて考えても。

仕事の付き合いでご飯を食べに行く事になった、の一言で全て終わり。全て無駄になっちゃった。

ええ分かっていますよだから電話の向こうでごめんと申し訳無さそうに謝る敦賀さんに笑って気にしないでくださいって言って絶対しないと分かっているのにお酒飲んじゃダメですよなんて気まで使って電話を切って根菜と蒟蒻は日持ちするからそのままでいいかビールは帰って来たらまた飲むかもしれないから冷蔵庫に入れといてタコは酢の物にしたらその時のおつまみになるかも何て考えたのに。

私は今、二人分のおでんを作っている。

ちゃんと敦賀さんと気持ちを伝えあって恋人になって前よりずっと一緒にいる時間が増えたのに今もお仕事だってちゃんと分かっているのに
なのに
やり場のない怒りみたいな物が私を動かして
大根の無いおでんなんておでんじゃないわ敦賀さん明日一人で大根の無いおでんを食べればいいのよしかも二人分。

長く煮込み過ぎたせいかピーと音と立ててガスの安全装置が働く。火が消えると同時に私の怒りの火も消えた。

ああ全く本当に自分の気持ちに気付くんじゃなかった。こんな醜い感情敦賀さんも迷惑だよね。側にいられるだけでいいなんて気持ちはどこに行ってしまったのか。

落ち込む私の耳に、ドアが開く音。
「最上さん、いる?」
私を探す声。

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  1. 2013/11/19(火) 19:32:36|
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