六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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雨に唄えば

夜、突然降り出した大粒の雨に行き交う人達が慌てて走りだす。

「つ…コーン、傘…」
恋人が隠しているとは言え、その体格のせいで人目を盗んだ…とはちょっと言い難いデートの最中。
突然、帽子もサングラスも外して敦賀さんが走り出す。
「ちょ、つる…コーン!」
慌てて折りたたみ傘を広げ、投げ捨てた物を拾いながら追いかける。
「大変な事になるから付けて下さい!」
「大丈夫、誰も見てないよ」
確かに人気が少ない夜の、突然のこの大雨の中雨宿り先を探すのに必死かもしれないけど。
「駄目ですよ敦賀…コーン!」
一体どうしちゃったの!?慌てる私を後目に、敦賀さんが唄いながら軽やかにステップを刻み出す。

I'm singin' in the rein
Jast singin' in the rein…

あ、この歌知ってる。
敦賀さんの家で観た古い映画の歌。
主人公が恋の喜びに土砂降りの中歌う歌。
確か歌詞の続きはこう。

なんて素敵な気分なんだろう
また幸せになれたんだ…

って、何言ってるんですか!
「ストップ敦賀さ…コーン~!」
無いよりはまし、と思っていた小さな傘は役に立たなくて。
結局全て歌いきって満足げな敦賀さんも、ずっと追いかけてた私もびしょ濡れになってしまった。
「もう!何のために傘を用意したと…」
「この為でしょ?」
傘を持つ手に敦賀さんの手が重なって、あっという間に唇が重なって…
「!!敦賀さんの馬鹿~~~!もう知りません!風邪引いて大変な目にあうといいわ!」
「本当にそう思ってる?」
からかうように私の顔を見る敦賀さんに腹が立つ。
「本当です!」
「本当に本当?」
「本当に本当の本当です!お薬も氷枕も用意しないし栄養考えた食べやすい料理も一度で何粒もおいしいスタミナジュースも作りません!」
「それは困ったな」
「何ですかその顔は!本当の本当に本当の本当ですよ!分かってますか!?」
「はいはい」
「帰ったらまずタオルで拭いて。温かい飲み物を用意するので飲んで下さい。その間にお風呂を沸かすから直ぐ入って下さいね。でないと…って、聞いてますか敦賀さん!?熱出しても本当に看病しませんからね!!」

小さな傘の下。

ずぶ濡れのまま二人並んで家路に付く。
敦賀さんが小さく歌う声を聞きながら。

Singin' in the rein
dancin' in the rein
Ya dee da da da da
I'm happy again
I'm singin' and dancin' in the rein

I'm singin' and dancin' in the rein…
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  1. 2013/10/18(金) 19:11:34|
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