六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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ハロウィンの夜 2

「大丈夫?」

差し出された手に慌てて顔を上げればそこに居るのはコーンではなく。
「…敦賀さん」
「転んだ?」
タキシードに長いマントを羽織った吸血鬼の扮装の蓮の手を取り立ち上がる。
「手が冷たい…長く外に居たの?マリアちゃんと琴南さんが心配してたよ」
「すみません…」
敦賀さんの手も冷たい。そう口にする前に歩き出す蓮の後を追う。
「今、コーンに会ったんです。帰るコーンを追いかけようとしたらドレスの裾を踏んで転んでしまって駄目でした…」
マリア曰わく"花の妖精"…薄いレースを何重にも重ね花があしらわれた長いドレスの裾を摘み、キョーコは苦笑する。
「本当に?あの王子様だったの?」
「本当です!姿は見えなかったけど…私…絶対間違えません!」
「そう…良かったね、会えて。これから一年きっといい事があるよ」
「一年?」
「知らない?ハロウィンは日本で言う大晦日の意味もあるんだよ」
前を歩く先輩の言葉は優しい。
「…最上さんが妖精に間違われて向こうの世界へ連れて行かれなくて良かったよ…みんなが悲しむ」
振り向いた笑顔もこれ以上無いぐらい優しくて。
「みんな…?」
「勿論、俺もね」
気恥ずかしくなって視線を外そうとして気が付く。
「敦賀さん、唇が光ってます。何か付いてるんですか?」
「ああ…吸血鬼らしく血糊を付けられたんだ。全部拭いたつもりだったけど…残っていたのかな?」
「あ!お姉さま!何処へ行ってらしたの?!」
「もー!アンタ仕事ほったらかして何処に行ってたのよ!」
駆け寄ったマリアに手を引かれて会場に入る前に振り向くと、蓮が未だ佇んでいて。血糊を拭き取っているのだろう、親指で唇をなぞる姿が何故か闇の中に溶けてしまうような錯覚を覚えて…
「敦賀さん!」
「何?」
「私…みんなと一緒に待っていますから!」
「…うん」

穏やかに笑う彼の親指に付いたのが、自分の口紅と同じ色だという事をキョーコは知らない。
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  1. 2009/11/01(日) 11:53:34|
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