六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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ハロウィンの夜 1

騒がしい会場から抜け出して、キョーコは溜め息を付く。今日は10月31日。お祭り好きの社長は社内をオレンジと黒とカボチャで埋め尽くすだけでは飽きたらず、迎賓館で盛大な仮装パーティーを催していた。キョーコはラブミー部として裏方の仕事に付く筈だったが…マリアに見付かって奏江共々仮装させられた上に表に引っ張り出されてしまった。

ハロウィンは好きじゃない。

「どうして?」
大量のジャック・オー・ランタンを作る手伝いをしに来てくれた優しい先輩が聞いた。
「ハロウィンって元々日本のお盆みたいなものなんですよね…」
「そうだよ。それと家に悪いモノが入らないようにする行事だね」
「その悪いモノの中に…妖精も入ってるんです」カボチャから顔をくり抜く手を止めて、蓮は顔を上げる。
「その中にあの妖精の王子様が居るかも、と?」
「…はい」
「会いたい?」
「はい。でももう会えないって言ってました…」

それでも、もしかしたら。コーンは沢山の妖精を引き連れて此方に来ているかもしれない。意味を知った時からキョーコは10月31日が楽しみではあるものの、ハロウィンという行事は嫌いになった。

コーンは良い妖精なのに…ランタンで溢る街は探す以前の問題。

顔を上げれば、庭は深い闇に包まれていてランタンの火も届かず。

あの中に…もしかしたら。
暗い闇の中に足を踏み入れて囁く。
「コーン…居る?」

キョーコちゃん。

呼ばれた気がしてその方を振り返れば、僅かな光に照らされた黄金色に輝く髪が闇に消える。
「コーン?!」
慌てて追いかけた先は更に暗く、明るさに慣れた目は一層闇を深くしていく。
「コーン?居るの?」

キョーコちゃん。

冷たい手が頬をなぞる。
「コーン…」

僕はずっと…何時でも…君の側に居るよ…

頬に暖かい感触。軽く触れたそれは次にしっかりとした記憶をキョーコの唇に残す。

今のは魔法だよ。キョーコちゃんに悪いモノが来ないように。何時でも笑っていられるように…

「コーン!」
遠ざかる気配を追いかけようとして躓いた。
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  1. 2009/11/01(日) 11:40:19|
  2. 短編小説
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