六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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夜空 1

バチン、という音と共にスタジオが真っ暗になった。女優さん達の悲鳴、慌てるスタッフの声、足音。
「最上さん、大丈夫?」
いつの間に来たのか、隣りから敦賀さんの声がする。
「大丈夫、です」
「もうすぐ非常灯が付くだろうから、動かないで」
天井に鈍い光が灯る。
「皆さん大丈夫ですか?どうやら電力会社側の故障みたいです。暫く様子を見ます!」
「…今日はもう無理かもしれないね」
敦賀さんの言葉通り、撮影は中止になりスタッフに誘導されて私達は外に出た。外も真っ暗。東京に出て来てこんな暗い夜は初めて。
「最上さん、空見てごらん」
言われて見上げると、狭い夜空を彩る無数の星。
「うわぁ…」
「もっとよく見える所へ行こうか」
こっち、と半ば強引に手を引っ張られて皆から離れる。
「いいんですか?敦賀さんがいなかったら皆心配するんじゃ…」
「心配される程子供じゃないよ。ほら足元気をつけて…」
苦笑しながら何処かの建物に入る。慣れているのか迷いのない足取り。
「ここ、鍵が壊れているんだ」
どの位登ったのか分からない階段の先にあるドアを開けると、そこには先程とは比べ物にならない広い夜空。月が無いから星がよく見える。
「…綺麗ですね…」
「そうだね、停電のお陰だ」
「天の河があんなにハッキリ見えます」
こんなに綺麗なのに、普段はネオンで見えないなんて何て勿体ない。
「そう言えばもうすぐ七夕ですね」
「そうだね」
夜空から目が離せない。
「織姫と彦星はどれかしら?」
「ベガとアルタイルの事だっけ。あれだよ」
敦賀さんが教えてくれるけど、星が多すぎてよく分からない。
「ごめんなさい…」
「慣れて無い人には難しいかもね」
「今年は晴れるといいですね」
「うん」
「あれ?あんな所にも星が…」
そう呟いた途端、一気に増えてみるみる間に辺りが明るくなる。復旧したんだ。
「…残念。綺麗だったのに」
いつもの東京の夜。
「そうですね。…でも、吸い込まれそうで少し怖かったです」
そう言った私を敦賀さんが優しい顔で見る。
「大丈夫。絶対離さないから」
ほら、と手を持ち上げられて、ずっと繋ぎっ放しだった事に初めて気が付く。
「うひゃあ!ももももう大丈夫です!」
思わずふり解いてしまった。

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  1. 2009/07/01(水) 11:39:18|
  2. 短編小説
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