六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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フェアリーテイル 3

事務所の非常階段に座り手にした青い石を、キョーコは指先で撫でる。
「ね…見つける為のヒント、何か無いかな…?」
あれから毎日綺麗な水で洗い、月光、朝日に出来るだけ当てて少しでも悪い魔法を弱めようと頑張っているがその様子は全く無い。
「敦賀さんが、悪い魔法使いなの…?」
あの後も石を探しているだろう彼を見かけた。誰もいない廊下でキョーコが来たのにも気付かず膝まで付いて。何処か思い詰めたようなその姿にうっかり"あります"と言いそうになった口を塞いで耐えた。たった一日の撮影の間で何度も見た位だから彼は今も探しているかもしれない…
「いや、悪い魔法使いで妖精の復活を防ごうとしているのかもしれないし!」
頭を降って罪悪感を追い払うと、再び石に語りかける。
「せめて元気か教えて欲しいな…」
中を覗こうと石を灯りに翳す。
「…………わぁ………!」
一瞬の輝きの後、青から朱へ。
魔法……!?
ううん、これはきっと元気だという彼からのメッセージだわ!
「それ…!」
突然の鋭い声に驚きのあまり硬直し、翳したままの手首を後ろから掴まれ反射的に仰ぎ見た人に再び硬直した。
「君、前撮影にいてぶつかってしまった子だね?同じ事務所だったのか」
「…つ…つるがさっ」
視線を硬直したままのキョーコから指先の石へと移し、再びキョーコへと移す。
「いつ、拾った?俺のだと知っていれば返す方法なんていくらでもあるだろう」
「…わわわ私の、石です!ええもうずっと昔から!」
我ながら苦しい言い訳だと思うが、もし彼が悪い魔法使いなら渡す訳にはいかない。
普段の大先輩からは想像出来ない鋭い視線に冷や汗をかきながらも負けじと睨み返した。
「返して、くれる?」
「だから私のです!敦賀さんのだという証拠、無いですよね!?」
振りほどこうと必死に腕を動かすが、掴む手はぴくりとも動かない。
「証拠って言われても困るけど…何?俺と繋がりを持つ為に言ってるのか?残念だけどそんな事しても何の得も無いよ?」
「得って何ですか!?私が取り入って仕事を貰おうと思っているとでも言うんですか!?馬鹿にしないで下さい!そんな事する位ならずっと脇役でいる方がましです!」
「…ごめん、失礼だった」
失言に気付いた蓮が手を離し、一瞬考えた後キョーコを見たのは"穏やかな敦賀蓮"。
「君はこの石が何か知っている?」
「………ただの青い石です」
「その石は明るい方へ向けると緑に変色するんだ」
「この石は赤に変わるから、やっぱり敦賀さんのじゃないです」
「……ああ、そうだったね。こっちに来て?」
階段を降りフロアに出ると窓際へキョーコを導く。
「ここで、見てごらん?」
悪い魔法をかける気なんだわ!
「…ほら」
騙されるもんかと俯くキョーコの耳許で、思いの外優しく囁かれた声に恐る恐る顔を上げる。
青から、深い森の、緑。
「…やっぱり、魔法…!?」
「君、電気の光に翳しただろ?」
「…はい」
「光の質によって赤や緑に変色するんだ。知らなかったろう?」
「はい…」
「ほら君のじゃない。一瞬でこの石だと気付いた俺の方が持ち主だと信用できると思うけど?」
「…でも、この子は渡しません!」
「この子?」
「彼は私が守るんです、悪い魔法使いには渡しません~!」
「あ、ちょっと、君!」
伸ばした手は空を切り、脱兎の如く逃げ出したキョーコの姿を呆然と見送る。
「守る?…彼?悪い魔法使いって…俺?」
思わず笑い声を上げそうになった口を、慌てて覆った。


 






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テーマ:二次創作小説 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2014/11/30(日) 06:15:39|
  2. フェアリーテイル
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