六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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新しい年

キュッと帯締めを縛り姿見で後ろを確認する。
うん、キレイに着れた。
白地に紅梅の蕾の付いた枝の柄の小紋。
帯は茶色。地味だけど宝尽くしだから今日に相応しいよね?
淡いピンクの帯締め帯揚げで可愛さを狙ってみる。半襟もピンク。こっちには白の梅の刺繍。
「ちょっと、くどかったかな?」
おおっと、悩んでる場合じゃないですよキョーコさん!
茶色のショールを肩に掛けて、慌てて外に出る。
吐く息が白い。
電車に乗って目的地に向かう。
「その着物、素敵ねぇ」

隣に座る年配のご夫婦の奥様が声を掛けてきた。
「もしかして、自分で着たの?」
「ありがとうございます。そうですが…何か変ですか?」
綺麗に着物を着たその姿に不安になる。
「いいえ、襟元を気にしてるからそうなのかと。今時の若い子が綺麗に着物を着てるから感心しちゃって、ねぇ?」
ご主人が穏やかに笑いながら頷く。
嬉しい。誉められちゃった!
「ありがとうございます」
それからずっと。奥様と話をしてたけどご主人は黙って微笑んでいて。時々同意を求める奥様に頷いて。降りる為に立ち上がった私は二人がピッタリと寄り添って居ることに気付いた。それがさも当然のように。
「良いお年を」


「最上さん、嬉しそうだね」
頭の上から敦賀さんの声が降ってくる。
「電車の中で凄く素敵なご夫婦に会って、誉めて頂いたんです」
目的地の神社には仕事帰りの敦賀さんが待っていて、どれだけ素敵な夫婦だったか話をする私に敦賀さんは微笑む。
「俺達も、そんな夫婦になろうか」
「え?」
「結婚して、俺の側にずっといて?」
もしかしてもしかしたらもしかすると。
プロポーズ!?
「神社にいるし神様に誓うのにはちょうどいいよね」
茫然とする私に困った顔をして。
「嫌?」
「…私で、いいんですか?」
「最上さんに振られたら一生独身を貫くよ」
お賽銭を入れた敦賀さんが最上さんと結婚できますようにと手を合わせて呟く。
「で、返事は?」
顔をまともに見られない私はお賽銭を投げ込んで手を合わせる。
「つ、敦賀さんとけけけ、結婚、できますようにっ」

これからもよろしくお願いしますの言葉を、遠くから響く除夜の鐘の中で聞いた。


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  1. 2013/12/31(火) 23:45:00|
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