六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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緑の日々"if"2

この状況…つまり、"敦賀さん"が私の上に倒れ込んでいる。

あの時敦賀さんは熱があって、意識が朦朧としていたなぁ…何て呑気に考えてる場合じゃない!
「つつつ敦賀…ええと違った、れれれ蓮さん?」
「…うん?」
「かかか顔がですね」
私の胸の上なんですが!!
もそりと顔だけを上げて、私を見る。とろんとした表情で下から覗き込まれ、私の頭と心臓は爆発寸前。
「うん、キョーコちゃん、変な顔」
変な顔で悪うごさいました!それに私の顔の事じゃないし!お願いだからどいてください~!
叫びたくても口がパクパクするだけで、言葉が出ない。体も硬直して退かす事も出来ない。そんな私を尻目にニコリと笑った"敦賀さん"はまた頭を胸にのせる。ややや止めて下さい~!
「キョーコちゃんの胸、凄くドキドキしてる」
当たり前じゃないですか~!

その体勢で、あろう事か"蓮さん"は寝てしまった。

やっと正気に戻った私は脱出を試みる。だけどやっぱり動けなくて。起こそうと顔を見ると気持ち良く寝てる、子供っぽい顔の"敦賀さん"。


…やっぱり諦めるしかない私は、落ちない様"敦賀さん"の頭を抱いて、ゆっくりと目を閉じた。

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  1. 2009/05/17(日) 13:23:51|
  2. 緑の日々 (完)
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緑の日々"if"1

「蓮さん」
「何?キョーコちゃん」
「さっきから何してるんですか?」
「?本読んでる」
そう、確かに"蓮さん"は私が買って来た本を、私は今度出演するドラマの台本をソファに座って読んでいる。でも問題はそこじゃない。
「…何でそんなに引っ付くんですか?」
そう、"蓮さん"はピッタリと…と言うより寄り掛かっている、と言った方が正しい。体は身長190センチの"敦賀さん"だから、かなり…
「重いんですけど…」
「そうなの?」
中身は8才の子供のだから、どうもよく分かって無いみたい。おまけに記憶が無いから無理に引き離すのも可哀相な気がして諦めた。
「ふぁ…」
欠伸をしたかと思うと今度は私の肩に顔をこすり付けて来た。
「なななな何ですか?」
「…眠い…」
そのまま更にもたれ掛かる"蓮さん"を必死に支える。
「眠いならベットに行ってください」
「でも続きが気になる…」
「起きてから読んだらいいじゃないですか。ホラもうベットに…きゃっ!」
振り向いて本を取り上げようとした途端、バランスを崩した私はソファに倒れ込んでしまった。勿論、もたれ掛かってた"敦賀さん"も。

…この状況…昔あった様な…
  1. 2009/05/17(日) 12:59:18|
  2. 緑の日々 (完)
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緑の日々最終

出して来たのは子供向けの…もしかして、記憶の無い久遠の為に買ってくれたの?
「…いいよ」
何処か寂しげに用意する彼女に、俺は向かい合う。部屋に響くのは駒の動く音だけ。
「最上さん」
「はい」
「…ありがとう…」
全て消えてしまった訳では無いよ。


…初夏の濃い緑の中、君と過ごした久遠の心は、きっと俺の中に残っている。

  1. 2009/05/16(土) 22:23:54|
  2. 緑の日々 (完)
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緑の日々18

次の日から俺は仕事に入った。仕方ないとはいえ一週間も休んだ事が許せなかった。役に入ってしまえば体の痛みは感じない。

最上さんは心配だからと家に帰った俺の元に毎日やって来た。社さんも
「是非そうしてもらってくれ!」
と言うので仕方なく家に入れる。これ以上最上さんの負担にはなりたくなかったが、久し振りに俺の顔を見て大泣きした社さんを思い出して何も言えなかった。
「最上さん」
「何ですか?」
社長から事の顛末を聞いて俺は心の中で青くなった。記憶が無いとはいえ、8才の俺は"久遠"だ。彼女が何か気付いたのではないかと気が気で無かった。たまにぼやっと俺を見ているのが余計に気になる。
「その…記憶が無い時、俺、何か最上さんにしたかな…?」
「…何もしてませんよ?何かしたのは記憶が戻った後の敦賀さんです」
頭にキスした事か。仕方ないじゃ無いか。何が起こっているのか分からなかったら、どう慰めていいのか分からなかったんだから。
暫くの沈黙の後、思い出した様に最上さんが言う。
「敦賀さん、ボードゲームしませんか?」
「ボードゲーム?」
  1. 2009/05/16(土) 22:12:38|
  2. 緑の日々 (完)
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緑の日々17

涙が溢れる。止められない。
「う…」
「も、最上さん?」
「ひ…っく、敦賀さん…敦賀さんのばかぁ…!」
敦賀さんは悪くない。分かっているけど。
「ばかぁ…」
凄く不安だった。敦賀さんが帰って来なかったらどうしようって。似非紳士も夜の帝王も大魔王も、何よりあの穏やかに優しく微笑んでくれる敦賀さんが消えてしまったらどうしようって。

消えてしまった蓮さん。ボードゲームの約束も、言葉を直す約束も、全て消えてしまった。昨日の事なのに。

色んな思いがごちゃまぜになってどうしていいか分からず、私はへたりこんで声を上げて大泣きした。
「ごめん…最上さん」
いつの間にか、敦賀さんは痛い体を起こして私の前に座っていた。でも私は自分の気持ちにいっぱいいっぱいで、全然余裕が無かった。
「つ、敦賀さんは悪くないです!」
「…うん」
「だ、だ…から謝らない…で下さい!」
「…うん、ごめんね」
「だから…うっ、うわぁ~ん!」

泣き続ける私を、敦賀さんはフワリと抱き締めてくれた。
「…ごめん」
頭の天辺に何度もキスが降る。


……………ただただ、私は敦賀さんの胸の中で泣き続けた。
  1. 2009/05/16(土) 07:16:14|
  2. 緑の日々 (完)
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