六華(スキップビート二次小説)

スキビ小説が書きたくなって開きました。いつか雪のように無くなります

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2015.12.25 25時19分

お互い同じ仕草を繰り返しているのに気が付いて、くすりと笑い合う。
「落ち着かない誕生日になってしまったね」
急いで窓を開け換気して直ぐラグを拭き鞄を洗い。それでも匂いが残るリビングでは過ごす事が出来ず結局食事もケーキも机のあるキョーコの部屋で食べる事になり…そのまま身体を重ねているがまだ何処からか漂ってきている気がして、ふとした拍子に相手の身体に鼻を寄せてしまう。
「でも一番嬉しい誕生日でした」
そっと、自分の胸元を飾るスタークォーツに触れる。
「初めてサンタさんからプレゼントを貰えましたし…」
「…ああ」
身体全体で喜びを表すキョーコに、朝痛みを感じる程の勢いで叩き起こされた事も興奮を落ち着かせた苦労も全て帳消しになったけれど。
社さんが知ったら、サンタにも勝てなかったのかって笑われそうだな…
ふと脳裏に浮かんだのは、鞄を洗うキョーコの代わりに片付けた不破からのプレゼント。
ボトルに金色のバラが絡み、蓋には妖精が座っていた。
自分が一番キョーコを知っていると思い込んで他の誰かが同じ物を選んでないかなんて考えもしなかったのだろう。親友と同じプレゼントだと知った時のキョーコの反応を見てみたい気もするが、"妖精さんに罪はない"と蓋だけ手元に置かれるのも気に障る。だから敢えて何も言わず、間違ってもキョーコの目に触れないよう厳重に紙に包んで片付けた。
…あげる側が優劣を付けてどうするんだと思うけど、やっぱり気になってしまうものなんだな…
「………な気分です」
「え?」
考え込んで聞き逃してしまった言葉をもう一度と見たキョーコが頬を染め慌てて首を振る。
「いえあの、最後ばたばたしちゃったけど、凄く、凄く嬉しくて素敵なクリスマスと誕生日でしたって言ったんです」
「…ちょっと違う気がするんだけど」
「ああいや本当に!本当にそう言ったんです!」
蓮の訝しがる視線に挙動不審になっていくキョーコに、似非紳士の微笑みを向けると露になった脇腹を羽根のように指先で撫でる。
「ひゃっ…敦賀さ…やめ…くすぐったい…!」
「正直に言ったら、ね…?」
「本当です…嘘、なんて、言ってないです…!」
涙を浮かべて身を捩る姿に再び身体の熱が上がり、そのまま下へと滑らせると甘い悲鳴と共に身体が跳ねる。
その言葉は嘘ではないだろう。
でも誤魔化したそれは、きっと昨夜自分がトップスターに込めた願いに違いない。
昨日今日で、明日のキョーコの身体が心配だけど
その言葉を聞くまでは…いや、聞いても止めれそうにないなと身体の熱をキョーコの奥底へと差し入れた。




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テーマ:二次創作小説 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2015/12/26(土) 01:19:02|
  2. 中編小説
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

2015.12.25 20時48分

松太郎からのプレゼントを隠そうと鞄に手を掛けたと同時に玄関の鍵が開く音がして、キョーコは慌てて手を引っ込める。
敦賀さんは知らないから、普通にしていれば絶対分からない、わよ、ね!?
「お、おかえりなさい!」
「…ただいま」
玄関に迎えに出たキョーコに買ってきた誕生日ケーキを渡し、先に立ってリビングに入った蓮の足がぴたりと止まった。
「敦賀さん?」
「…ずいぶん沢山、貰ったね」
視線の先には、今日貰ったプレゼントを入れたいくつかの紙袋。
「持ってここまで来るの大変だったろう?迎えに行けたら良かったんだけど」
「いえ全然!プレゼントの中身が気になって、気が付いたら部屋に着いてた位で」
「…開けたら?」
「え?」
「気になるんだろう?ご飯は後でいいから…今開けるといいよ」
あ、あれ?
「…では、お言葉に甘えて」
後でゆっくり、と言える雰囲気ではなくケーキを冷蔵庫にしまうとリビングテーブルの前に腰を降ろした蓮の側に紙袋を持って来て座り、貰った相手の名前を挙げながら一つ一つ開けていく。
それらが全て自分の為に選んでくれた品だと思うとじわじわと喜びが沸き上がり、最後の一つを手にした時には何処かおかしい蓮の雰囲気の事もすっかり忘れてしまった。
「これはモー子さんからで…香水!見てください敦賀さん!金色のバラが付いたボトルです!それにここ!蓋に妖精さんが座ってます!いやぁぁぁん!可愛いぃぃぃぃぃ!」
「…最後?」
「はい、これで最後です!」
「…アイツから貰ったのは…どうしたの?」
蓮の問い掛けに、親友からのプレゼントに頬擦りしていたキョーコがびきりと音を立てて止まった。
「スケジュールの変更で…最上さんを見付けて声を掛けようとしたんだけど…ね」
プレゼントを開ける度、輝きを増すキョーコの笑顔は不破から贈られたプレゼントが何であろうと受け止める余裕を蓮に与えたが、その事実を隠されるのは話が別。
「あ、あれは…すれ違いざまに押し付けられて…」
「見てたから知ってる…で、もう開けた?」
「…え、永久に…封印します!」
「…………え?」
「アイツが関わるとろくな事がありません!現に今も変な雰囲気になっちゃって…だから今日の…いえ、これからの為にもあれはお札を貼ってタンスの奥に、ううん、明日にでも神社に行って預かって貰います!」
「や、流石にそれは中を確認してからの方が」
「触れてはいけません!敦賀さんが呪われてしまいます!」
鞄を掴んだ手を伸ばし蓮から遠ざける事でその在りかを教えたキョーコが、もう片方の手でびしっと蓮を制止する。
「中が何であろうと関心ありませんし、気を取られたくありません!それよりも今日、これからの時間を敦賀さんの笑顔を見ながら過ごす事の方が私には重要で大切です!」
二日連続の、蓮にとってはの殺し文句にぱっと染った顔を慌てて反らし軽く咳払いをすると、キョーコに微笑んだ。
「…うん、そうだね。俺も今日これからの時間を最上さんの笑顔を見て過ごしたい」
その言葉と共に差し出した掌に音を立ててキスされて、驚きと羞恥で硬直したキョーコの手から滑り落ちた鞄がリビングテーブルの角に当たった時、何かが割れる音がして。
「「 あ 」」
鞄からラグへと滲み出た染みが、部屋に甘い香りを漂わせた。


      


テーマ:二次創作小説 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2015/12/25(金) 20:48:31|
  2. 中編小説
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  4. | コメント:0

2015.12.25 19時30分

今日最後の仕事が終り、テレビ局の控え室でキョーコは自分の鞄を目の前に頭を悩ませていた。
「…どうしよう?」
鞄の中には、すれ違いざまに松太郎から押し付けられたリボンの掛かった小さな包みが入っている。
今日の、25日という日付からどう考えても自分への誕生日プレゼントだ。
「一体何なの?」
どれだけ記憶をひっくり返しても松太郎から誕生日プレゼントを貰った覚えが無い。突然の行動の理由が気になるが、それよりも。
「持って帰りたくないんだけど…」
名前を聞いただけで不機嫌になる蓮が、押し付けられたとはいえプレゼントを受け取ってしまったのを知った時の事を考えると血の気が引く。
これ以上ない幸せな朝から始まった誕生日に、何故こんな気持ちにならなければいけないのか。
「…おのれショータロー…許さないんだから…っ!」


ハンドルを握る蓮の脳裏に浮かぶのは、スケジュールの突然の変更さえ無ければ遭遇しなかった場面。
不破からのプレゼントを受け取るキョーコの姿。
「あ~…蓮?」
「何ですか?」
黙り込む自分の様子をちらちら伺っていた社の問い掛けに努めて冷静に返事をする。
「さっきの…事だけど…その、今日はキョーコちゃんの誕生日で」
「だから渡したんでしょうね」
「うん…で、キョーコちゃんは仕事に入る前で…」
「かなり急いでいて受け取るしかない状況でしたね」
「…今夜、改めてお祝いするんだろう?」
「別に…不機嫌な訳ではありません」
「うん、不破に関してはお前は直ぐ気持ちが態度に出るからな…って、え?」
「相手が誰だろうと祝って貰うのは良いことですよ」
そう、母親から存在を拒否されたキョーコは一人でも多く誕生日を祝って貰うべきなのだ。その相手が誰だろうと。
「じゃあ何が気に入らないんだ?」
「いえ、気に入らないとかではなく」
「…不破が何を渡したのかが気になる?」
「…はい」
贈られた品に優劣を付けるキョーコではないし、贈った相手が不破だけに以前奏江からプレゼントを貰った時のようには喜ばないと思うけれど、自分よりも一緒に過ごした時間が長い分キョーコが喜ぶ品を選び贈ったかもしれない…
「そんな事、気にするなよ。お前に勝てるのは琴南さんだけだから」
どうやら励ましたらしい社の言葉に力無く微笑んだ後溜め息を付く。
満たされた想いで迎えたキョーコの誕生日に、何故アイツの事を気にしなければいけないのか。





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  1. 2015/12/25(金) 19:30:00|
  2. 中編小説
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2015.12.24 22時

クリスマスケーキを食べ終わった皿から、部屋に飾れたクリスマスツリーに視線を移したキョーコの首がこてんと傾いて蓮は顔を覗き込んだ。
「どうした?」
「いえ、前々から思っていたんですけど、あの星」
ツリーのてっぺんを指差す。
「何か意味があるのかな?って」
「トップスターだよ」
「トップスター?」
「別名をベツレヘムの星。東方の三博士にキリストの誕生を知らせ導いた星を模しているんだ」
「へぇぇ…ちゃんと意味があったんですねぇ…」
感心しながら星を見ていたキョーコが、ふと何かに気付いたように蓮の顔を見た。
「何?」
「いえ…敦賀さんみたいだなぁ、と」
「え?」
「事務所を代表するとか一番人気があるとか、そんな芸能人の事をトップスターって表現するじゃないですか。敦賀さんは正しくそうですよね」
「いや…俺より有名な人も事務所を代表する人も沢山いるし」
至極真剣に言った後、一人納得して頷くキョーコに苦笑する。
「それに俺は誰かを導く為に役者になった訳では」
「でも敦賀さんは私を導いてくれました。演技をする事で自分を作ろう、女優になろうと決心した切っ掛けは敦賀さんの演技でした」
蓮を見上げるその瞳は恋人のそれではなく
「敦賀さんは天い所で輝くこの星のように、迷う私を何時も導いてくれるんです」
以前の、尊敬する先輩だと、天上人だと見ていた眼差しで

彼女の望む俺でいようと決めた
ずっと見ていてくれるなら、それで構わないと思う気持ちは変わらない
でも

「……ショックだな…」
「へ?」
「未だ信仰の対象のように思われていたなんて…最上さんにちゃんと男だと、恋人だと分かって貰えるよう頑張っているんだけど…努力が足りないのかな…」
大きく溜め息を付き落ち込み始めた蓮にキョーコは慌てて首を振る。
「や、そんなつもりで言った訳では!キリストだって男の人だと分かっていますし!」
「…よく考えれば何時まで経っても敬語だよね…コーンには使わないのに… 」
「癖で自分でもどうしようもないんです!それに今ならコーンにも敬語ですぅ~っ!」
「え…それはちょっと…敬語を使わない方向で」
「無理無理無理無理!もう無理!」
「何で!?」
「大好きな人だと分かっちゃったら、どんな姿でもどきどきして緊張するのは当たり前じゃないですか!だから敬語が…って、ぎゃーーーー!私何言っちゃってるの!?」
恥ずかしがって普段口にしない感情を言葉にして、ぶわっと顔を赤くしておろおろするキョーコが可愛くて思わず抱き締める。

ああもう、本当にこの娘には敵わない

キョーコが深く眠ったのを確認するとベッドから抜け出し、隠してあったプレゼントを取り出し枕元に置く。
自分からのクリスマスプレゼントは24日に、誕生日プレゼントは25日に日付が変わった時に渡したから、これは多分、キョーコが初めて貰うだろうサンタからのプレゼント。中にあるのは水晶で、混ざり込んだ鉱物が星のように見える所から"スタークォーツ"という名前が付けられていて…
ふと思い付いて再びプレゼントを持つとリビングに入り、ツリーのトップスターを外す。少し力を入れるだけで簡単に割れた、そのちゃちな作りの星の中に包装を開け取り出したスタークォーツにキスをしてから入れると再び重ね合わせリボンを掛けた。

君は全然気付いていないけれど
目指す天みにはキョーコがいて
正しい方向へと導いてくれる

「…言葉にしてもいいけど、君を困らせたくないからね…」
枕元にトップスターを置き、キョーコの額にキスをしてベッドの中へと滑り込む。"サンタからのプレゼント"をキョーコはきっと喜んでくれるだろう。
その時、俺を手に入れたと思ってくれるといいんだけど
自分の馬鹿な考えに少し笑って、眠るトップスターを引き寄せた。













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  1. 2015/12/24(木) 22:00:00|
  2. 中編小説
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何度も恋をする 10

一瞬何処に居るのか分からなかった。
強い夏の日射し、青く生い茂る木々、目の前を流れる河のせせらぎ。
遠い記憶の中にある風景…
「…………京都?」
自分の声の高さに驚いて、口に寄せようとした手が小さい。

もしかして、俺は

人の気配に振り向くと、そこにはツインテールの小さな女の子。
目に涙を溜めたまま、驚いた表情が見るまに笑顔になり頬を染める。
『敦賀さん』
「あなた…妖精さん!?妖精さんね!?私はね、キョーコっていうの!あなたのお名前は?妖精さん、何て言うの?」
ああ…この子は
俺を知らないキョーコ
俺が知っているキョーコ
そして俺は、俺を知らないキョーコを初めて知る。
もしかしたら俺も、気付かないだけで何度も繰り返しているのかもしれない。
だから初めて会った時に見覚えがあって
君を無条件に受け入れて、驚く程性急に惹かれて、恋をして
「…はじめまして、キョーコちゃん」
君が俺の為に時間を繰り返すなら
俺も君との未来の為に何度でも時間を繰り返す。
この後どんな最悪な再会が待っていても
君がどれだけ俺を嫌いになっていても
きっと君は俺に恋をする
「俺の名前は」
何度も出会って
何度も恋をしよう
君の言う"神様"が、俺達の望む未来に変えるまで。



               終


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  1. 2015/06/23(火) 11:51:10|
  2. 何度も恋をする
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